大学生の自由帳

ペンギンパニックとエノキ工場の香り

【2024年最新版】名大祭実行委員と大学生の自由研究

こんにちは。らぎのや(二ツ島)です。

先日のエクストラステージ2024がそれなりの成功を納めたのは記憶に新しいですね。

nujiyucho.hatenablog.com

実は私が書類上の主催者・責任者だったので、無事一通りの事々が過ぎ去って一安心しています。

 

主催者ということは名大祭実行委員とのやり取りも私が請け負っていました。

昨年のエクストラステージ2023では実行委員と我々自由研究がバチバチにぶつかっていたので、面倒ごとにならないかとても不安でした。

 

(参考記事)

nujiyucho.hatenablog.com

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衝突する中でいくつかの企画が待ったをかけられて、中止となったり内容が変更になったりしていました。

最も衝突の大きかった「清潔クレープ事件」が制止されたのは正直予想外でもなんでもなく妥当でしたが*1、「Giant Coffee Dripping」に難色を示されたのが予想外だったことを覚えています。

清潔クレープ事件:ステージの上でクレープを作ってみんなで食べる企画。「名大祭でクレープを食べると事件になる」と、かつての食中毒事件「毒クレープ事件」の禍根がいまだ残ることを揶揄している。

Giant Coffee Dripping:元メンバーの江坂大樹が定期的に行っている活動。野外にでかい櫓を組んだり布を張ったりして大量のコーヒーを抽出する。

Giant Coffee Dripping

 

なぜジャコドリが止められかけたのか、2番目の参考記事に書いてあります。

大学当局からストップがかかったようです。理由は「コーヒードリップに異物が混入し、それを飲んだ結果、救急搬送される可能性があるから」。

 

正直ケチを付けられているようにしか見えない文面ですが……名大祭では食品についてはこと厳しく取り締まっているのです。結構早い段階で申請しないと使えませんし、来場者が口にするには規制があります*2

実験やパフォーマンスで食品を取り扱う場合は、来場者の口には一切入らないようにしてください。その場合は取り扱うことのできる食品に制限はありません。(『第64回名大祭有志企画説明会の手引き』より)

 

とはいえ「Giant Coffee Dripping」はこの規約をクリアしていたはずだったので(来場者に飲ませないため)ストップがかかったのが意外で、理不尽に思えたのです。*3

 


 

さて、ここまでが去年の話。

今年は自分が主催者になり、大量の提出書類を書くにあたって上記の経緯から「特に食品を扱う企画は気を付けないといけないな~」と規約を確認していたら、こう書いてありました。

実験やパフォーマンスで食品を取り扱う場合は、演者・来場者の口には一切入らないようにしてください。その場合は取り扱うことのできる食品に制限はありません。(『第65回名大祭 有志企画説明会の手引き』より)

 

なんか「演者」と書き足されていました。去年のいざこざによって規約が改変されてしまった。

また、ひるがえって演者が食品を口にするシチュエーションが全く想定されていなかったことが明らかになりました。

そのくらい誰かがもうやろうとしてそうなものですが、大学生の自由研究が藪蛇のパイオニアになってしまったみたいです。*4

 

さらに、実行委員は去年企画書に「ステージでいろいろやる」ぐらいしか書いてなかったのがいざ蓋を開けたら清潔クレープ事件だったことに懲りたのでしょうか。「ステージで行う企画の概要を事前にすべて伝えてほしい」と担当者に言われました。

(おそらく)自由研対応です。

 

しかし、この対応を「自由研究が目を付けられた」とするのは恐らく誤っていて、「本来は企画書に記すべき内容を、まだ内容が固まってない我々への配慮で後に伝えても良い事にしてくれている」と捉えるべきなんだと思います。今年も企画書は「ステージでいろいろやる」ぐらいしか書いていないので。

実際、我々にとっては企画をじっくり考えられて、実行委員にとっては監視ができるのでお互いのためになる方法です。このような特別扱いを認められるのは本心からありがたかったです

 

そんなわけで、私はメンバーが大変自由に考えためくるめく企画をまとめました。

実際の企画たち

今年は企画、止められないといいな。でもこれはダメかも。

おとうさんスイッチ「し」

テレビ番組「ピタゴラスイッチ」に登場するおとうさんスイッチで、大学生の自由研究メンバー演じるおとうさんに「し」をコマンドし続ける。「し」のコマンドは「死ぬ」なので、何回も死ぬ。

 

ちゃんと正直に書いちゃったから。死ぬのはダメでしょ。普通に。食中毒事件がダメなんだから。

 

恐る恐るpdfを提出し、返答を待ちます。

結果、実行委員の方々から何と言われたのかというと……

 


 

実行委員A「さて今回の企画ですが、『全自動山手線ゲーム』は『手動山手線ゲーム』にしてください。全自動はやりすぎです。」

 

私「えっ」

 

実B「それ以外にも弱体化してもらいますよ。現状では強すぎますので。こちら一覧です。」

全自動山手線ゲーム → 手動山手線ゲーム

お悩み相談会    → お悩み発表会

年越し       → 午前0時

yasai        → jagaimo

UberEats      → tapple

 

私「そんな!こんなのって!……」

 

実C「全肯定ドンドンパフパフ?贅沢な名だねぇ!」

 

全肯定ドンドンパフパフ

 

王止定ドンドンパパフ ≈≈人≈月≈パ

 

止ドドンパパフ ≈≈王≈定≈ン

 

ドドンパ ≈≈止≈パ≈フ

 

ドドンパ

 

実C「ドドンパをやってください。」

 

私「ひえ~」

 

 

 


 

などということはマジで全く無く、

 

こんなお返事をいただきました。

猿ぐつわの使用について

倫理的な側面での心配がございます。どのような猿ぐつわを想定しているのか、詳細をご連絡いただきたいです。

ウーバーイーツの企画

当日の交通規制(メインストリートの歩行者天国等)に注意を払ってください。ウーバーイーツ配達員の迷惑にならないような配慮がなされているでしょうか。問題なく企画を終えられるか、自由研究さまのお考えをお聞かせいただきたいです。

たった二つ。しかもおとうさんスイッチは許されました。

実はギリギリまで企画が固まり切らず、pdfを提出したのが10日前という非常識すぎる振る舞いをしてしまったという落ち度があったので、とても寛容な対応にとても安堵していました。

 

猿ぐつわは「三猿トークライブ」という「見えない人・聞こえない人・言えない人でトークライブする」という企画で使うものですね。「タオルを噛ませずに巻く」と説明したらOKしてくれました。

なお、この企画は当日(実行委員とは全く無関係に)中止になってしまいました。

いち観客としてとても残念ですが、仕方ありませんね。

 

また、猿ぐつわの懸念点として「倫理的な側面での心配がある」とありますが、ボールギャグを使うと絵面がいかがわしくなってしまうことを気にしたんじゃないかと勝手に思ってます

 

ボールギャグ

もしそうなら、おとうさんスイッチが許されたことと合わせて、実行委員的には”死”よりも”エロ”の方が忌避すべき要素のようだと考えられます。

そして意味不明なだけの企画がいっぱい通ってることから、”ナンセンス”は問題無いようです。

エロ>グロ>ナンセンスという序列か。なるほどね。

 

別にそんな序列は無くて、そもそも猿ぐつわという存在が暴力的なエッセンスを含むだけの話かもしれません。

そういう観点ではボールギャグはエログロナンセンス全ての要素を含んでいます。あるいは、エロはグロ・ナンセンスの一部要素を含み、グロ・ナンセンスについても同様の事が言えるという対称的な包含関係にあって、ボールギャグがエロ(あるいはグロ)を受け持ったが故に残り二つを自動的に含んだという事なのかもしれません。ちなみにナンセンス要素は「ギャグ」と付いていることだと思ってここまでの文章を書きましたが、今これを調べてみると「gag(英:猿ぐつわ)」に由来するため全然ナンセンス要素では無い事が分かりました。そこで「ギャグ」と「gag」の関係について調べようと思ったのですが、ひたすら「GAG(お笑いトリオ)についての内容ばかりヒットします。全てが徒労に終わりました

 

いずれにせよ、指摘して当然のことかと思います。

 

「UberEats」についての指摘も真っ当だと思います。これは「配達員は事前に了承してもらった人物になるようにする。そうならなかった場合は受け取り場所を変更する」と説明したら、やはり咎めなしでした。

 

要するに、「コーヒーに異物が混入して救急搬送される危険があると中止を求められた去年からは到底考えられないほど理解のある対応をしてもらえました。大変ありがたいことです。

 

こうして我々はほとんど自由に企画を実行できた訳です。これはもちろん実行委員側の理解による部分がある一方で、我々の規約への理解度が去年よりも深かったことも無視できません。

けがの功名。我々は昨年のいざこざのお陰で、名大祭において何が良くて何が悪いのかそれなりに把握できていたのです

 

忖度をして無難な企画をやった訳ではありませんが、規約に抵触してせっかくの準備がおしゃかにならないよう心掛けることが出来たということです。

一番気を遣ったのはやはり食品の扱いで、時期の早い申請に間に合うよう、食品を使うような企画を真っ先に確定させました。「HIPHOP味噌汁」とかのことです。

HIPHOP味噌汁

この企画は企画メモの1344個中763番目に書かれていたもので、恐らく半年前くらいから存在しています。

しっかりと企画を貯めておいたおかげで「食品を使う企画だけ先に決めましょう!となった時でも迅速に提案された訳です

 

さて、名前の通り味噌汁を調理する企画なので、私はその材料をクックパッドで調べて申請書類へ書き込みました。

実際の届出書

その結果、申請書類がレシピにしか見えなくなりました。

恐らく量の欄は「小さじ2」などというミニマルな量を書き込むための場所では無いとは思うのですが、本当にそれだけしか使わないので正直にそう書きました。


ちなみに寿司は「プトレマイおすし(相対的回転寿司)」という寿司の周りをみんなで回る企画のため申請していましたが、いざやろうとして企画内容が取っ散らかっていく内に飽きて無かったことになりました。

食パンは「しゃべるパン」用だったのですが、これもタイムテーブルには載ったものの中止に。

 

こんな感じでいざ申請はしたものの準備不足やモチベーションの問題で中止になった企画はまあまああります

「飽きたらやめる」をモットーのひとつに掲げる大学生の自由研究らしくはありますが、手を無為に煩わせてしまった担当者の方々には申し訳ありません。

 

一方で私は実行委員へ企画概要を提出する直前、「バナナダイエット」という企画をふと思いついて書き足していました。

バナナダイエット

ステージの上には……

バナナ

バナナがありました。そして申請書類にはバナナと書いてありませんでした。


……「レーニング器具として扱ったときのバナナは、食品ではなくトレーニング効果をもたらすいち物体にすぎないという裁定なのかもしれません。企画概要を提出して通ってしまっている以上はそういうことなのでしょう。*5

 

そんなこんなで当初はどうなるかと思われた実行委員との事前手続きですが、双方の歩み寄りによって去年のような波風はほぼ立たずの状態で「エクストラステージ2024」の開幕を迎えることができました。

めでたしめでたし。

 

 

 

 


 

余談ですが、余談ですがと言ってしまえばそもそもこの記事が「エクストラステージ2024レポ」に続く余記事ですが、もっと言うとエクストラステージそのものが名大祭における余ステージなのですが、つまり余ステージの余記事の余談なのですが、私は書類上の主催者だったと記事冒頭で書きはしたものの、実質的にも主催者の役割をなりゆきでやっていました。ミーティングを開いたり役割を割り振ったりとか。

 

あるミーティングの時にビラを作る人を決めようとしたのですが……そこでビラ(とタイムテーブルの画像)を作れるメンバーが自分しかいないことに気付きました。何ならそのミーティングでビラ含む広報の必要性を思い出しました。

「そろそろ自分の企画の準備をするか~」と考えていたところへ突然タスクが舞い込んでしまう形に。

実際のビラ

去年のビラを真似ることでまだ何とかなりましたが*6、今度は広報のツイート用の画像が必要なことに気付きます。

各メンバーが用意したキャプションと画像をまとめるだけだからと手をつけたら、思いのほか時間がかかってしまいました。

 

さらに、その画像とキャプションは各企画の主催者が準備する物。「タイムテーブル、結構隙間ができちゃったな~」と軽い気持ちで企画をこれでもかと詰め込んだ私は何故か主催する企画の数が一番多かったので、これにも手を焼くことに。

 

当然企画の数が多いということはその準備も一番多いということで、これらの怒涛のタスクに押し出される形で「全肯定ドンドンパフパフ」と「オチ寄席」を中止することになってしまいました。

 

さらには連絡ミスで「yasai」も中止に。各準備の時間を十分にとれていれば防げたミスだったかと思います。

yasaiのイメージ画像

この企画では現在絶賛受験勉強中の元メンバー、琳太郎を巻き込んでいたこともあり、この中止がエクストラステージ2024唯一の大失敗と言っていいくらい悔やまれる事態になってしまいました。*7

 

目白押しする中止企画を前に、私は「ビラまで請け負ったのは流石にやりすぎだった」と後悔しながら次回以降のためにpsdファイルを残すのでした。

 

しかし、ビラを作れる人間が他にいなかったのだから仕方ありません。

私は逆に考えた結果「ビラを作れる唯一の人間は主催をしてはいけない」というエクストラステージTipsを学びました。HPなんかも多分そう。

ほんの少し一般化して言うと、大学生の自由研究はエクストラステージにおいては人手が全く足りていないので、タスクがなりゆきで一人になだれ込む可能性があるということです。

組織化を(あえて)進めていない集団としての弱みであり、普段入会希望DMの対応をめんどくさがってるツケですね。

 

あとは単純に私のスケジュール管理能力が乏しすぎるという話でもあり、このような人間は本来主催をしてはいけません。

実際能力の乏しさによって実行委員とのやり取りでも迷惑をかけることもありましたし、準備を本格的に進めなければいけないことに気付いて慌ててミーティングを開いたのは5月中旬であり、遅すぎました。

とはいえこれもビラと同じで、自分が有志企画の応募を送り付けなければ誰も「エクストラステージ2024」を開こうとはしなかったと思うので、こうなることは必然だったのですが。

 

来年以降エクストラステージを開く人たちがいたら、そんな感じのことに気を付けてくださいね。

 

逆に言うと、こんなに行き当たりばったりでもそれなりの成功は納められたということです。

これには昨年に引き続き2年連続でエクストラステージを開いたことの恩恵があったと思います。ノウハウが蓄積されていて、今年の方が確実にパワーアップしていました。大きいステージがあるだとか。各企画の完成度だとか。

 

一方でステージ全体を通して昨年の面影が垣間見えた側面もあり、これは継承に重きを置いたとも言えるし、模倣に陥ったとも言えるし、企画を考えているのが概ね同一人物だからそりゃあそうとも言えると思います。

 

もし来年「エクストラステージ2025」が開催されたらどんなものになるのでしょうか。

そもそも開催されるのでしょうか。

その時、大学生の自由研究はどうなっているのでしょうか。

 

”組織”として運営されているとは決して言えないようなこの集団では、まったく予想できないことです。

 

楽しみですね。

 

 

*1:もちろん、悲しいことでもありますが

*2:常温保存可能な未開封既製品に限り来場者が口にしてもよいです

*3:一応「上記の条件を満たしていても、希望通りに食品を取り扱えない場合もございます。」との但し書きがあり、それに従った対応だったのかと思います。しかしそもそも異物混入して救急搬送なんて確率、(同じ有志企画で参加している)大道芸人が失敗で頭を打って救急搬送される確率とどちらが大きいのでしょうか。そんな考慮すべきでない期待値的な些事である上に、万が一起こっても自分たちで飲むなら自己責任で済む話です。やっぱりケチを付けられたんだと思います。

*4:このことは名大祭がいかに保守的なイベントであるかを物語っている、とするのは飛躍して考えすぎでしょうか。

*5:この理論を適用すると、例えば「しゃべるパン」においては「食パンは食品ではなくいち話者にすぎない(ため申請しなくてもよい)」などの理屈がまかり通ってしまう気もしますが、少なくとも私は今後悪用しないようにします

*6:HPの担当者も忙しそうでしたが、同様に去年の形式を使いまわして何とかしてくれました。タスクを一度こなしたという経験はけっこう役に立つみたいです。タスクは身を助く。

*7:琳太郎が大学生の自由研究を退会した経緯はこちら

nujiyucho.hatenablog.com