大学生の自由帳

ペンギンパニックとエノキ工場の香り

あいうえお作文研究会 #2 「めいだいさい」「めいだい」

目次

 

数日前に「あいうえお作文研究会 #1『ふりゃあ』」という記事をアップしました。今回はその第2回です。

nujiyucho.hatenablog.com

 

前記事は反響こそ穏やかでしたが、肝心のコンテスト応募数の方はほぼ倍増したので(4→7)、やって良かった感を司る器官に対応するホルモン機関銃が咆哮しています。作文は引き続き募集しているので、気が向いたらどうぞ。というか、気を向かせるための記事です。既に凶悪な作文や狂気じみた作文が何本か来てます。

docs.google.com

 

第1回では題にある通り「ふりゃあ」であいうえお作文をしました。ですが、それに続いて行った「めいだいさい」でのあいうえお作文の部分は、もとより時間の都合で途中終了していたのですが、私の原人ムーブのために初っぱなからzoom録画に失敗し、前記事では少しも紹介することができませんでした。そこでこの第2回というわけです。

(しかし今回も、またしても私の猿人ムーブによって、部分的に録画に失敗しています。私はこのまま生物の始原にまで遡ってしまうのでしょうか)

 

あいうえお作文研究会 #2

 

於:オンライン

参加者:藤田、安田、二ツ島、ゆお(途中参加)

お題:「めいだいさい」/「めいだい



お題「めいだいさい」

藤田1本目

藤田:(記事にするために)まず前回出したやつからいきます。これです。これでした。

 

第1回では、「女性的」というような評価を受けました。

 

藤田:結構考えたんですよね。普通に思いつかなかったので。

アピールポイントとしては、「い」が3つあるので繰り返しのリズムを重んじつつ、最後やっぱり安田さん的に言えば”オチ”をつけねば、っていう、その折衷的なやつっていうところに、中庸の良さみたいなのが出てるかなと。それです。

安田:素晴らしいです。「い」の使い方が上手だと感じました。前半4つで単調なリズムになりつつも、最後の方の急な「サモサとラッシー」、それと「い」で物語のアレになるっていうのがいいなと思いました。

藤田:ありがとうございます。

 

研究成果⑥

男性/女性的な作文。

(特に同じイニシャルがあるとき)繰り返しのリズム、およびそこからの逸脱。

 

安田:次、自分いいですか。

藤田:お願いします。

 

安田1本目

 

第1回では、「痛いね」の異質性や、”寄り”の描写である前半と”引き”の描写である後半の対照などが指摘されました。あと普通に参加者に衝撃を与えました。

 

 

藤田:いや...(笑)

二ツ島:やっぱり「痛いね。」が好きですね。

藤田:「痛いね。」だけ句点が付いてるんですよね。

安田:そうなんです。前回を承けてここだけ意識して、句読点を。

一応今回のこの作文の趣旨というか特徴を説明させて頂きますと、基本的にジェットコースターみたいな文章になってます。「めいだい」で話の流れを上げるというか。ここ前半(「めい」)はジャブ。ここ(「だい」)でおっきい膝蹴りを入れて、最後小キックみたいな。

「だい」だと、一番衝撃の大きいここ(「だ」)と、そこを補うような優しく包み(「い」)を加えて、そこから最後落ちていく感じ(「さい」)。

藤田:自分のが結構パターンを意識していたのに対して、なんというか、自分のがデジタルだとしたら、安田さんのはアナログというか、「流れてる」って感じがします。自分のは「刻んでる」って感じなんですけど。

それが割と類型としてあいうえお作文にあるんじゃないかという気が見ててしました。ぶつぎり派とかたまり派みたいな。

安田:なるほど。

藤田:それとなんか...前も言ったと思うんですが、神話みたいだなと。啓示みたいな。

 

二ツ島:僕はなんか、平成の歌みたいだと思いました。

藤田:平成の歌みたい...?!

二ツ島:「メッシュも入ったイカした大アナル~痛いね♪」っていう。「痛いね。」が繰り返す感じ。

安田:(笑)。エンタ芸人じゃないですか?(笑)

藤田:いや、エンタ芸人はこんな歌作れないです。

二ツ島:こんないい詩は書けないです。

 

二ツ島:今長調で歌っちゃったけど、短調で歌っても良かったかも。ちょっと暗いメロウな曲の方がいいと思います。

安田:「痛いね。」が含まれてますしね。

二ツ島:やっぱそこですよね。

藤田:なんか、触れるもの全てを傷つけるみたいな荒々しさの中に、切なさが滲んでる。

めっちゃ分析したくなるなぁ。荒唐無稽*1過ぎて。

 

藤田:これは一撃の威力に賭けるタイプのあいうえお作文であって、似たやつがもう一個出てきたらそっちはもうダメかも。

周りが自分みたいな(明太子...)やつばっかの中でこれが出てきたら、なんというか(それらを)破壊しちゃうんですよ。でもこの手のやつばっかになってしまうと、もう大会が終わってしまうっていう。

二ツ島:大会が終わってしまう?!

安田:半分ルール違反に近い?

藤田:いや、でもそれはギリギリを攻めれなかった周りのやつの敗北なので。

安田:なるほど。

 

研究成果⑦

山場、およびそこからの脱力。

アナログとデジタル。

仮に音楽がつくとき、その曲調。

作文の威力は、周りの作文の傾向に左右されうる。

 

 

zoomミーティング開始後しばらく作文の共有方法を模索する時間があったため、前回録画し漏らした2本に再度コメントするところまでで早くも40分が経過してしまいました。

そしてそれに続くパートですが、冒頭で白状しました通り、私がzoom録画の開始を忘れていたため記録に失敗しました。折角良い作文を出してもらったのに、勿体ないことをしました。

それにしても、自分がこの会の企画者で本当に良かったです。そうでなかったら、企画者に対して物理的に腹を割ってパカパカ話すハラキリ腹話術(Literally)で謝罪しなくてはならなかったので。

 

二ツ島1本目

 

研究成果⑧

時間・空間の複層性。1つの作文中に2つ以上の場所と時間を表現する。

作文の経済性のための、象徴的な表現(この作文では例えば、空の色であるピンクは後に続く文章に補強される形でアルコールやドラッグの幻覚症状の婉曲表現である「ピンクの象(が見える)」に通じている。そのような色の空が「目が覚めると」広がっていることにも注目したい)。

 

藤田2本目

 

研究成果⑨

何を話したか忘れました。まあ、読んでの通りです。

 

お題「めいだい」

(失われた40分の間にお題が変わる)

藤田:もう出来てます?

安田:はい。でも、投げやりです。皆さんのやつと比べたらカスみたいなもんですけど。

藤田:いや、全然そんな。わりと趣向が違う感じがするんで。三者三様というか、自分のじゃない土俵で戦うと弱いだけであって。

安田:じゃあ一回ジャブいいですか。両方ともジャブなんですが。

 

安田2本目

 

 

藤田:これは...?(笑)

二ツ島イシツブテ岩手県のマンホールに描かれてるんですよね。

安田:これズルなんですけど、画面共有しますね。



安田:これがイシツブテの岩手の姿なんですよ。こういうことです。

二ツ島...どういうこと?(笑)

藤田:台パンは...?

安田:これは、何の脈絡もないです。自分が思いついた単語をひとしきりだしたというだけで、論理的な文では一切ないです。

 

安田:これちょっと、ナシにしてもらっていいですか...?(笑)

二ツ島イシツブテが岩手ポケモンだっていうのを知っていたから面白かったです。僕は。

安田:やっぱり前提の知識がないといけないんですよね。独りよがりあいうえお作文になってしまった。

 

藤田:なんか、「目から鱗イシツブテ(アローラの姿)」の方はゲームの中っぽいですけど、「台パンしている」の方は明らかにゲームの外じゃないですか。岩手もわりと現実の自治体ですし。

二ツ島:確かに。だから、アローラから岩手に飛び出てきたっていう。

藤田:謎の移動を感じるんですよね。そのせいで微妙な奥行きを感じて、キモい

二ツ島:着地点は「キモい」?!

藤田:自分は結構「キモい」って好意的な意味で使っちゃうんですけど(、それです)。

 

研究成果⑧

「知ってれば面白い」による狙い撃ちも、場合によってはアリ。

対になる/対照的な印象・属性をもつ単語の使用。

 

安田:すみません、ジャブどころかカスなんで、これはちょっと。

二ツ島:結構面白かったですけどね。イシツブテでもいいんだっていう。突破口を開いてくれたような感じがします。

 

二ツ島:全然思いつかないです。正直。

藤田:自分も、15%くらいしか出来てないです。あと1分で出さなきゃ死ぬ、って言われたら出せるんですけど。

安田:自分もう一個ジャブ出していいですか?ジャブしか出せないですけど。

藤田:いや、ジャブが結構鋭いんで(全然どうぞ)。

二ツ島:さっきのジャブで体勢を崩された我々は、ふつうにKOされるかもしれない。

 

安田3本目

 

 

藤田自動生成してますか??

二ツ島:(笑)。本当に脈絡がない。

藤田:脈絡がないのに、何かを感じる。

二ツ島:全然絵が浮かばないのに、浮かべなくてはならないような強迫性がある。

藤田:「苺ましまろ...^^」は伊佐坂先生が言ってるのか、それともダイレクトアタックされた人が言ってるのか、どっちのつもりですか?

安田:解釈によるんですけど、自分は伊佐坂先生が言ってるつもりです。なぜなら酩酊状態だからです。

二ツ島伊佐坂先生がダイレクトアタックしてるのかされてるのか、どっちなんですか?

安田:これも解釈です。自分は伊佐坂先生がダイレクトアタックしてるつもりです。全部伊佐坂先生の視点です。

二ツ島:助詞を差し込んで「伊佐坂先生『が』」にして固定してもよかったんじゃないかなと思います。

安田:なるほど。視点が曖昧ですかね。

藤田:でも自分は、助詞が脱落してて舌がもつれてる感じが酩酊っぽくて(好きです)。「mm酩酊状態の伊ss坂先生、ddダイレクトアtック!」みたいな。

安田:(笑)

二ツ島:それはなんか、不可解釈じゃないですか。

藤田:あと「苺ましまろ...^^」は個人的に、アタックされた人の末期の叫びかと思っていたので。

 

研究成果⑨

徹底的に支離滅裂な作文。

解釈の余地。

 

藤田:「だ」が難しいですね。「大~」しか浮かばない。それはやめたいんですけど。

安田:「だから」とかありますね。起承転結の転の部分で接続詞があったら面白そうかなって。

藤田:接続詞一個はあった方が、なんか味が出る気がするんですよね。全部名詞とかから始まったら、なんかギュウギュウ感が出ちゃうというか。(接続詞によって)余裕が生まれる気がします。

 

 

ゆおこんばんは。今って作文してますか?

藤田:「めいだい」で作文してます。

ゆお:思いついたので、言っていいですか?どうやって出してますか?

藤田:(...!)もう、口頭でも文面でも。経験的に、文字で出した方が面白いかも。

ゆお:紙に書きます。

藤田:あんまり納得いってないですけど、自分も今浮かびました。

二ツ島:僕も実はさっきから書けてました。言ってなかったですけど。

ゆお:自分書いてるんで先言ってください。

二ツ島:なんかこれ、カードゲームみたいになってるな。全員が見えない手札を握っている。

僕は後攻でいいですか?

藤田:じゃあ自分先に出します。

 

藤田3本目

 

 

藤田:これです。

なんか、全然補足することないです。大仏が突然現れて、進路を遮ってくるっていうイメージ。

安田:急にファンタジックになるんですね。

ゆお:なんか良いです。「急げ急げ急げ急げ」の切羽詰まってる感からの、急に「大仏」に切り替わる緩急が良いですね。

 

藤田:「緩急」は、「緩急」という言葉では言ってなかったですけど、さっきから問題になっていて。緩急というか、フォーカス?

安田:さっきのドンキのやつもそうですよね。いや、場面転換...?

二ツ島:あれは確かに、場面転換寄り。

藤田:カメラが寄ったりピントがズレたり、みたいな。

二ツ島:ドンキのやつは、BGMが変わったみたいな感じですよね。空気が変わったみたいな。

(「ドンキのやつ」は)さっき藤田さんが出した文のことです。

ゆお:見たいですね。

藤田:これです。

 

ゆお:「イツキがいない!」は、何ですか?! 人、人名...?

藤田:RIOTに参加してるヤンキーが、RIOTが激しすぎてはぐれてしまうって感じです。

ゆお:これ、小説で出せますね。なんか、雰囲気が良いですね。

藤田:?!

 

研究成果⑩

場面展開の種類(視聴覚的な喩えによる)。

 

二ツ島:次どっち行きますか?

ゆお:自分3つあるんですよ。

一同:?!

藤田ホープじゃないですか。あいうえお作文界の。

ゆお:私最後で大丈夫です。

二ツ島:いきます。「めいだい」作文。

 

二ツ島2本目

 

 

藤田えっ、めちゃくちゃ好きです!

安田:いや、二ツ島さんの視点の多さがすごい...!完全に絵本。

 

藤田:あまりにも文章にされている事実がのっぺりし過ぎていて、逆に何かの暗喩であったりするんじゃないかっていう気が。シンプルな文章であるがゆえに...。

二ツ島:裏があるんじゃないかと。

藤田:無限の奥行きを感じざるを得なくなってしまうというか。それに、普通にシンプルさのクオリティが高い。

安田ディック・ブルーナに描いてほしい。

二ツ島:藤田さんの後に出して正解だったかもしれないですね。

藤田:中途半端に変な効果を狙おうとした下心が出てる自分のやつに対して、シンプルさの一撃のパンチでいくこれは対照的と言えばそうかもしれないですね。

ゆおNHKとかで流れて欲しい。

藤田:「にほんごであそぼ」出れますよ。

二ツ島:買いかぶり過ぎですよ。

 

安田:1個めの「い」で「いっぴきひつじ」なのに、次の「い」で「いっぱいになっていくよ」っていう、単数から多くなっていく数のメリハリもすごい。「だんだん」の部分も不穏に感じて、私的には起承転結の「転」の部分もすごい上手いなって思いました。

藤田:これって、「めぇめぇ」「だんだん」と「いっぴき」「いっぱい」の音が対応してるのって意図的ですか?

二ツ島:あんま狙ってません。無意識でした。

 

藤田:童謡過ぎません?これ。「ぞうさん」みたいな。

二ツ島:童謡はイメージしました。

 

ゆお:「だんだん増えて」のところで解釈が分かれる気がします。「だんだん増える」ことをプラスの未来と捉えるのか、増えることに不安を感じるかみたいな。

安田:自分後者ですね。

ゆお:私は明るい未来を思い描いていて、安田さんの不穏な解釈は面白いと思いました。

藤田:自分は不穏かも、と思ったのは、最初が「いっぴき」じゃないですか。「にひき」じゃなくて。

ゆお:あ、そういうこと?!

藤田生物として不自然な増殖の仕方をしてて、キモすぎる。

ゆお:めっちゃいい解釈じゃないですか。

二ツ島:そこ気づいて、って思ってました。

安田:二ツ島さんって、文章全体で気づいてほしいポイントが明確なのがいいなって思いました。

 

安田:これをなんか絵本にしたいです。眠れないときに羊を数える、それの解釈を増やしたらそういう童話できそう。

藤田:寝る前に羊を数えるっていうのとなんか通じる感じはします。

安田:多分は私はそれで不穏な印象を受けていて、だんだん増えていっぱいになっているってことは、しかも「なってるよ」じゃなくて「なってくよ」っていうのが現在進行的なのかなって思っていて。

ゆお:今も増え続けてるよ、みたいな。

藤田:あ~、なるほど。キモい!

安田:そうなると、さっき言った眠れないときに羊を数える説を提唱すると、この人いつまで経っても眠れてないんですよ。

二ツ島:(笑)

藤田:すご、本当だ。

 

ゆおドラえもんの秘密道具で、くり饅頭の回があるんですけど、

二ツ島:あぁ、バイバイン

ゆお:なんか最初はくり饅頭が増えて嬉しいなって感じだったのが、増えるスピードが段々尋常じゃなくなっていって、押し潰されそうになっていって、すごい怖ってなった記憶があって、すごい重なるものを感じました。

 

藤田:小さいことなんですけど、「増えて」を「殖えて」にするのはどうですかね?

二ツ島:でもそこは「産めよ、増やせよ、地に満ちよ」があるので、イメージとして。

藤田:ああ、でもそっちの方が物質っぽくてキモいかもしれないです。

 

研究成果⑪

対句的な作文。

シンプルさと奇怪さの親和性。

 

ゆお:いや~、ちょっと出したくないな。すごい良いのを見てしまって。

じゃあ出します。

安田:よろしくお願いします。

ゆお:まず一つ目。

 

ゆお1本目

 

 

安田:素晴らしいですね。日常性がありつつ、メンヘラなんだっていう。

ゆお:そうですね。メンヘラで駄々こねてるのがいんだぞ、っていう。

藤田:これ日めくりカレンダーに書きたいですね。

 

安田:これいいですね。まず文章として成立してるっていうのと、いままでの文章だとオチが付きがちだったんですけど、最後平和的に終わるっていう優しい締めを持ちつつ、でもやっぱこいつメンヘラだったっていう気づきのギャップがなんかいいなって思いました。

ゆお:天を仰いで「そっか...」っていう世の無常を感じるイメージです。

 

藤田:今までわりと、ポップな感じかと思いきやシリアスみたいな展開が多かった。でもこれはちょっとシリアスな感じかと思いきやポップ、ポップというか何か、っていう流れは新鮮で、沁みてますね。

それと、今まで出てきたやつはわりと詩っぽいというか、日常で使う文章としてはちょっと不自然な感じだったりしたのが、(「メンヘラの...」)は日常的な文章で書いてるのがすごくいいなと思いました。

日めくりカレンダーっぽさってそれかもしれないです。

ゆお:みつをみたいな。確かに、あんまり尖ってはないかもしれないです。

藤田:意外と尖らないのも難しい気がしますけどね。

安田:いや、思います。どうしても尖らざるを得ない。

藤田:安田さんは尖り過ぎてると思います。それはそれで難しいと思いますけど。

 

研究成果⑫

詩的に硬直しない作文。

これ見よがしな技巧を排した、言葉と描写による素直な表現。

 

ゆお:どうしようかな。じゃあ、あと1個だけ。これです。

 

ゆお2本目

 

 

安田:(笑)

藤田:...急にどうしたんですか?!

ゆお:ちょっと尖りましたね。これは本当に意味とかないやつですね。

 

二ツ島:5~7文字で概ね構成されているのが良いです。語り過ぎないのが良いなと思いました。

安田:逆に解釈の余地が広がるのがいいなって思いました。短い方が。

藤田:さっきのやつは結構解釈を膨らませて楽しい作文だった感じはするんですけど、こっちに関しては寧ろ、あんまり掘らずに文面の愉快さを楽しんだ方がいい気がします。奥行きだけが良さじゃないかもしれない。

あとなんか、社会科目の語呂みたい。

ゆお:「いい国つくろう 鎌倉幕府」みたいな。

安田:確かに、リズムが。それはさっき二ツ島さんが言ったように、文が短いからこそそう思うんですかね。

二ツ島:リズム重視ですかね。

藤田:5577ですね。

ゆお:そうか。全然意識してなかった。

 

研究成果⑬

シンプルな文面、音の楽しさ。それに特化する潔さ。

 

ゆお:これからしないといけないことがあるので、抜けます。

藤田:ありがとうございました。

ゆお:いえいえ、とても有意義な時間でした。

一同:(笑)

ゆお:失礼します。

 

閉会

二ツ島:今日の一番良かったあいうえお作文を決めませんか?

藤田:それはもう、自分はもう(決まってます)。

二ツ島:僕は「大RIOT」です。

安田:ちょっと待ってください。藤田さん多分二ツ島さんの「めぇめぇ島」...

藤田:あれですね。完全にあれでした。

安田:自分その二択で迷ってるんですよね

藤田:最悪の順番じゃないですか。

安田:ベクトルが違う面白さは、判断の基準が難しい。

藤田:方向性の違う2つの作文を同じ土俵で評価するとき、どこを見たらいいんだろう。

二ツ島:確かに。これ「あまつかぜ」でも起こり得ますね。

藤田:確実に起こると思います。

 

藤田:点数付けるなら、多分減点方式になると思うんですよ。

安田:でも二ツ島さんの「ピンクの空」もチラつくなぁ。

藤田:「ピンクの空」は、少なくとも減点はすごい少ないと思います。

減点方式だと、寧ろ自分のやつはわりと前半が粗い感じがしてるんで。

二ツ島:いや~、でも「メガドンキ~」は十分面白過ぎるな。

 

安田:今回、自分の中では本当に、0.000...ぐらいの僅差なんですけど、藤田さんに入れます。

藤田:本当ですか。ありがとうございます。

最後の決め手は何だったんですか?

安田:ここまで来ると、本当に理不尽なんですけど、自分の感覚になっちゃいます。自分勝手で申し訳ない。

二ツ島:自分の感覚を信じるのも審査員大事ですからね。

藤田:なんかこれ、タイプありますね。人によって。

安田:自分多分パワータイプ的なものだと思います。二ツ島さんとかはなんというか、...

藤田:調和というか、バランスタイプって感じがします。

安田:バランスは取りつつ、ちゃんと深いものがあるっていうか。女神みたいな。

藤田:女神...?!

二ツ島:女神?!

安田:そういうと藤田さんはあらゆる手を使うタイプだと思います。自分みたいなパワー一辺倒みたいな感じではなく、戦略は練るけどパワーもあるみたいな。

藤田:おこがましいですけど、わりと二ツ島さんと安田さんの中間というか、二ツ島さんほど調和的ではないにせよ、安田さんほどぶち抜けてもない、うまくハマるとまあまあのやつができる、ぐらいのタイプな気がしてます。

あと注目してる要素が結構違う気がしてます。単語のパワーであるとか、繰り返しのパターンであるとか、作文によって力点が違う。得意とするそれも各々違う気がしてます。

安田:それで言うと、ゆおさんは自分たちの枠組みからはちょっと外れてる、完全なる寄り添い型だと思いました。視点が違うというか。

藤田:あいうえお作文の理解がそもそもちょっと違った気がしました。かといって、違うと言いたいわけでは全然ないんですけど。

安田:分かります。

藤田:ああ、でも綿棒のやつはちょっと違うかも。...

 

 

...と、このようにモニョモニョ議論しているうちに夜も更け、本会は閉幕しました。多くの作文の要素やコツが発見され、研究会の目的は概ね達成されたと言ってよいでしょう。あとは名大祭当日を待つのみです。

おそらく、作文コンテストの応募作品と審査員のコメントを適当にまとめた記事がまた上がると思います。

 

それと第1回からここまで会話を丹念に読まれてきた方は、もう普通にあいうえお作文偏差値60くらいあると思います。あいうえお作文が流行って偏差値が下がる前に、コンテストに応募して好成績を収めておくことをお薦めします。

 

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*1:「突飛過ぎて」というようなことが言いたかった。