大学生の自由帳

ペンギンパニックとエノキ工場の香り

時間割津々浦々

 

ああ春だじゃな!新入生のみなさん、ご入学おめでとうございます!そして、メメント・モリ!全然明日には全てを失っている可能性もありますから、もう辞世の句とか考えておきましょう。

さて、昨日から早速授業がスタートしていますが、履修登録はうまくいったでしょうか。皆さんはひょっとするともう、履修登録会やTwitter上のとても親切な先輩方からアドバイスをもらうなどして、賢く時間割を組んでいたりするんでしょうか。そんなこざかしく憎たらしい皆さんに対しては、私からはもはや何も言うことはありません。実家でポテチ食いながらジャンプでも読んでてください。そうではない、その手のイベントを日和ってスルーしていたら不本意な時間割になってしまった、みたいな方々は、もう何をやらせてもダメです。あなた方が方々でヘマをして人々を辟易させている間、抜け目のない連中は実家でポテチ食いながらジャンプ読んでますので、せいぜい生存してください。

 

それはそうと、名古屋大学の1限は8時45分に始まります。私は割と時間にルーズな質なので1限なんかはしょっちゅう遅刻するのですが、私が必死にチャリを飛ばして十数分遅れとかでなんとか名大に着くとしばしば、そんな時間にもかかわらず名大駅前を人々がわらわら歩いていたりします。この不快な人々は何かと言うと、9時10分の1限に向かう南山生です。

南山生たちは、9時10分から100分間の授業を15分休憩を挟んで2回受け、12時45分から50分間の昼休みです。そして5限終了は19時05分です(名大は18時)。授業時間が微妙に長いのは、おそらくクォーター制(4学期制)を採用している都合上でしょう。

名大生の皆さんは、皆さんより30分朝の時間をゆったり過ごせる南山生たちをうらやましく思うでしょうか。あるいはそうでもないでしょうか。私なぞは、たとえ1限開始が25分繰り下がったとしても、全然家を25分遅れて出て遅刻するだけのことなので何とも思いません。

 

全国の大学の1限開始時刻

さてどうも、言われれば当然なのですが、大学によって時間割はまちまちであるようです。では、早い大学では(あるいは遅い大学では)何時に1限が始まるのか、微妙に気になってこないでしょうか。

ということで、全国の国立大学の時間割を駆け足で調べてみました。国立大に限定したのは、数的にちょうどよかったからです。と言っても正直十分多かったので、情報の正確性をしっかり確認できていない部分も少なからずあります。話半分で読んでください。

 

 

国立大のもっとも早い1限開始時刻は8時30分でした。東大、東外大、新潟大、島根大、琉球大、鹿屋体育大、愛媛大(医学部以外)、岐阜大(医学部2~6年)の8校ではこの時間に1限が始まります。

ちなみに防衛大・防衛医科大も8時30分授業開始でした。なんとも頼もしい。というかこの2校に関しては、そもそも起床時間から大学(校)にコントロールされているわけですが...。

以降、次いで早い8時35分開始が1校(岩手大)、40分開始が16校、45分開始が13校、50分開始が31校、9時開始が13校、最も遅い9時10分開始が2校(愛教大、和歌山大)でした。一応書いておくと、学部(キャンパス)によって時間割が異なる大学があるので、数校ダブルカウントが発生しています。

 

こう見ると、名大の1限開始時刻は標準的であると言えそうです。それもそうで、90分授業・15分放課で8時45分に1限を始めるとちょうど正午に昼休みになるので、何か事情でもない限りこの時間割が採用されるのでしょう。他に北大、農工大、金沢大などが全く同じ時間割を採用しています。

同じような理屈で、50分開始の大学は大抵が90分授業・10分放課で動いていて、50分に1限を始めると90+10+90分後に正午になります。東北大や名工大が代表格です。

 

個性的な時間割の大学

調べてみると、意外と学校によって時間割にバリエーションがあることが分かりました。しかし言っても、朝9時ごろまでに授業が始まって、午前中に2コマ、昼休憩を挟んで午後3コマで18時前後に終了、という流れはほとんどの大学が共有しており、違いは誤差みたいなものです。

ただその中でも、やや個性的な時間割の大学も散見されます。折角なので紹介したいと思います。

 

授業時間が長い

手始めに挙げたいのが、暴力も荒廃も制す*1東京大学です。

東大生たちは8時30分に1限開始、105分授業10分放課、昼放課50分という日本屈指のスパルタスケジュールで動いています*2。誰よりも賢い奴らは誰よりも早く、かつ長く机に向かっているということなんでしょうか。

たださすがに、授業時間が長い分授業日数が少ないので、トータルの授業時間に大きな差はありません。105分授業は、一学期分の授業は最低でも1350分行われなければならないと法律で定められているところを13週でクリアするための時間配分です。そうは言ってもやはり、大学が学生に寄せる信頼を感じざるを得ません。

 

ちなみに105分授業を実施してる他の大学には一橋大と茨城大(!)があります(茨城大は今年度から)。さらに茨城大は、一橋が15分放課なのに対して、東大と同じく10分放課です。茨城の東大でしょうか。頑張れ茨大(いばだい)。侵略者・東京教育大(筑波大)に負けるな。

 

ちなみに100分授業を実施している大学は東工大、岩手大、島根大、岐大(医学部5,6年)の4校ありました。

 

授業時間が短い

ある場合に長かったりするものは、大抵別の場合に短かったりもします。ものごとあるあるですね。

医科大や医学部は、授業内容が関係してか、はたまた午後の時間を多めに空ける必要があるのか、90分未満の授業時間のところが多いです。旭川医大、岐阜大医学部(2~4年)、愛媛大医学部、岡山大医歯薬系が60分授業、医科歯科大(2~6年)が80分でした。最初の3校なんかだと、16時台に授業が終わってしまいます。

もしやそっちが医歯薬系のスタンダードなのかと思い、公立・私立の医歯薬系単科大の授業時間もちらほら見てみたところ、90分授業派が一応過半数っぽい感じではありましたが、70分前後の学校もやはり少なからず(10校前後?)ありました。

どうでもいいですが、神奈川県の聖マリアンナ医科大は1コマ65分らしいです。15の倍数でも10の倍数でもない。「65」なんて数字、Eiffel 65でしか見ないな。

 

一方、非医歯薬系にもかかわらず90分未満の授業を行っている大学も、少数ながらあります。筑波大と岡山大です。

まず筑波大は、8時40分から15分放課を挟んで75分授業2コマ、11時25分から50分の昼放課のあと4コマ授業があって18時に終了です。そうか、105分(=90+15)授業があるなら75分授業もあるのか。

そしてもう一方の岡山大ですが、とりあえず見てください。左が非医・歯学部のキャンパスです。

10分放課と15分放課を交互に挟んで50分授業を午前に4コマ、午後に4コマです。10分放課を挟む2コマは基本的に連結しているようなので、要するに100分授業が10分休憩で等分されているということでしょうか。

慣れない我々からするとかなり奇異に映る時間割ですが、この微妙にテクニカルな時間割編成が万が一“正解”だったりしたら、近いうちに日本中、もとい世界中の大学が「オカヤマ・スタイル」をインストールする未来もあるんでしょうか。不意打ちを食らわないように、今のうちから構えておきましょう。

 

昼放課が長い

「大学の4年間は人生の夏休み」などという比喩というか揶揄がありますが、考えようによってはそもそも人生が生前の無と死後の無の間なる夏休み的な期間であるかもしれません。とすれば、大学生活は夏休みの夏休みです。敵の敵は味方の論理でいけば、夏休みの夏休みである大学生活は寧ろ授業期間なのではないでしょうか。ここで「そうかも?」と思ってしまった方に大学を卒業することは不可能なので、入学早々恐縮ですが退学してください。

それは良いとして、比喩の通り、大学生においては自由を謳歌することが一つの美徳であり、また同時に、学生に自由を許すことは学校の一つの美徳でもあります。その最たる典型が、言うまでもなく京大でしょうか。

京大の時間割を見てみると、授業および放課は名大と同じ90分15分ですが、昼放課が名大より15分長いです。おお、なんか京大っぽいかも。やっぱり、課外活動や学生同士の交流を活発にするためなんでしょうね。殊勝だなあ...。

...などと思っていましたが、コロナの時期に食堂の混雑回避のため延ばしたのを継続してるだけでした。

それでも、昼のんびりできるのはなんかいいですね。

思い出されるのは一年生のころ、昼のやや遅い時間に友人と初めて味味(名大の最寄りの中華料理屋)を訪れたときのこと。学生ランチの唐揚げセットを頼んだら、予想外にデカい唐揚げが運ばれてきて、デ唐揚げを大急ぎで詰め込んでダッシュで3限に向かう羽目になった記憶。まあでも、中華料理はモタモタ食うもんではないですし、食った後もモタモタするもんではないですからね。中華料理は巨大キノコです。香蘭楼は私が誤って破壊してしまいました。中華ははやい・うまい・やすい・Harder・Better・Faster・Stronger、と国士無双吉野家Daft Punkも申しています。洋楽麻雀では、Moneyで刻子を作るとABBAになります。ところで、カエサル吉野家に来たら、「来た、見た、食った」とか言うんでしょうか。以前、文学部でギリシャ哲学か何かを研究されてる先生が授業中に「鏡池通のすき家のところの交差点で車にぶつかられて大けがをした」(要約)と話していたのを、カエサルと牛丼という単語の並びで思い出しました*3カエサルと牛丼で思い出せることがある人生もあります。

中華料理

 

話が逸れました。京大以外にも、例えば阪大や宮崎大では昼休憩が1時間半あります。これだけ長ければ、そこそこゆっくり昼寝とかできそうですね。なんなら、気持ちよく昼寝するために敢えて1,2限を入れたい気もします。

 

というわけで以上です。この記事はなんとなく調べて書いただけですが、ぜひ何らかの形で名大ライフ構築の参考にしてみてください。

 

*1:【学歴の暴力】令和大学合戦【オリジナル曲】 - YouTube

*2:深くは立ち入りませんが、ややこしいことにこれと並行して90分授業も行われているようです。

*3:ダメ元でググったらヒットしました。苦難をも誇りとし 金山弥平 – キリスト教共助会

授業はすぐ飛んでしまいました。すみません。