大学生の自由帳

ペンギンパニックとエノキ工場の香り

No.729 モンスター再命名1本目「ウルトラ」

モンスター再命名、始動!

 

Monster Energy

 

モンスターエナジーアメリカ発のエナジードリンクであり、写真の「モンスターエナジー」以外にも様々なフレーバーが発売されている。

  • カオス
  • ロッシ
  • パイプラインパンチ
  • マンゴーロコ
  • スーパーコーラ
  • リザーブウォーターメロン
  • リハブレモネードティー
  • ゼロシュガー
  • ウルトラ
  • ウルトラパラダイス
  • ウルトラピーチキーン

現在日本で発売されているのは以上の11種類だ。

 

もうおわかりだろう。

モンスターエナジーは、名前で遊んでいる。

 

マンゴーロコやスーパーコーラはまだわかる。しかしカオス、ロッシ、ウルトラはどうだ。全く味を想像できない。

 

とくに「ウルトラ」など到底味に使っていい表現ではない。

「これまでのモンスターを超越した味……つまりウルトラ味だぜ!!!」

みたいな開発者の想いが露骨に表れすぎてやしないか。

 

直さなくてはいけない。正しい名前に。どんな味か伝わるような名前に。

そうして生まれたのがこの企画、「モンスター再命名」。

 

そう。これは使命。あるいは世直し。

世界を正しさに導くため、我々自由研メンバー(おもに藤田と二ツ島)が立ち上がったのだった……。

 


 

最初のターゲットに選ばれたのは

モンスターエナジー ウルトラ

さっきやり玉にあげた「ウルトラ」。

最も意味が分からないこいつこそ1つ目にふさわしいだろう。

 

いきなりだけど、会議の結果決まった「ウルトラ」にかわる新しいフレーバー名を発表したいと思う。

 

このフレーバーの名前は……

というわけで、ぼくは以降この飲み物を「モンスターエナジー 風邪をひいたスポドリ」と呼ぼうと思う。

 

どうしてこの再命名に至ったのか。これから紆余曲折のすべてをお見せしよう。

 


はじめての再命名

 

7月某日。記念すべきファースト勧善懲悪がはじまった。

 

各々コップにちょっとずつ注いで口に運ぶ。

モンスターでこんな飲み方をするのはなかなかない。異様な光景だ。

きっと、名前を付けた人たちもこうやって会議をしたんだろうな。

 

口にしたとたん、やすだがすぐに声を上げた。

「すみません、これ正解分かりました。」

 

突然の豪語に注目が集まる。

「この味は……」

……???

カンカン棒って何?????

 

「知らないんですか?棒状に凍らせて食べる液体です。」

 

吉田チューペットのことですか?」と聞く。

 

「そうです。呼び方はポッキンアイス、チューペット、カンカン棒の三種類があって、」

「三つで限定しないでください。広島じゃチューチューだったんで。」

 

いきなり地域で呼び方違う論争のテンプレみたいなやり取りが巻き起こってしまった。

ちなみにカンカン棒は岐阜限定の呼び方らしい。

全く知らなかった、岐阜県民なのに。

 

そんなことはさておき、普通にこの味はカンカン棒ではないと思う。

やすだ「冷やす前のカンカン棒の味です」と言っているが、そもそも液状のチューペット飲んだことないし。

この味は……例えるならこうだろう。

 

「ぼくはこれだと思います。」

「いや、パブロン水に溶かして飲んだことあるんですか。」

 

手痛い指摘をもらってしまった。粉パブロン、液チューペット以上に知らない。

 

しかし、藤田はこの表現に理解を示してくれた。

「自分は方向性ちょっと似てるかもしれません。これです。」

ああ~!

 

粉薬のニュアンスが一致している。

スコールの味も(多分)カンカン棒といっしょだと考えれば、中庸的な命名だといえよう。

 

「実はもう一個あって……これです。」

「なるほど!?」

 

一転して詩的な表現が飛び出した。

これはある意味従来のモンスター的な命名だ。

味の説明にはなっていないが、いま命名しているのはフレーバーの名前。雰囲気をしっかり捉えられているなら、こういった表現の方がむしろ適しているのかもしれない。

 

「僕はこれです。」

「逆OS-1です。」

 

……????ww?????

OS-1といえば所ジョージがCMに出ているあの経口補水液だ。しかし逆OS-1とはいったいどういうことだろうか。

 

アクエリアスポカリスエットを中心だとして、ウルトラはスポドリみたいな味がするのに甘すぎてスポーツどころではない。つまり甘くなく、むしろしょっぱいOS-1の逆ということです。」

 

なるほど、つまりこういうことか

 

「そう言われると……確かにスポドリの味がしてきたな。」

 

「確かに。それに粉薬ってのもすごい分かります。」

 

「粉薬もスポドリも両方分かります。あと飲んでると若干むせそうになるんですよね。」

 

「粉の残留感みたいなものがありますね。それとスポドリってのをひっくるめて『風邪』になってるのかもしれません。」

 

「後味で言うと粉っぽさ以外にべたっと感もあって、これが甘味料だらけの飲み物って感じがするんですよね。それと確かにクエン酸もいっぱい入ってるんでしょうね。」

 

「ということは『クエン酸入り』って、これ命名じゃなくてただのソムリエだった可能性ありますね。味から原料当てただけで。」

 

クエン酸はともかく、どうやら「粉っぽさ」「後味のしつこさ」「甘味料の味」あたりは共通認識らしい。

そしてやすだの言う通り、これらの要素から連想した結果の「風邪」なのだろう。

 

「これらを踏まえてもう一周命名し直しますか?」

 

「いや……ちょっと自分は変わんないかもしれないです。むしろ、議論を経て固定されてしまったかもしれない。」

 

実を言えばぼくも粉薬から離れられそうにない。

 

「私もカンカン棒は譲れません。」

 

まだカンカン棒の人もいる。岐阜県民限定でしか通じない名前はさっさと諦めてほしい。

そう思いつつも、特に新しい命名が特に思い浮かばない。

何か着想を得られないかと改めてモンスターを口にしてみると……やっぱりむせそうになる。

 

「本当にむせそうになるなぁ。もう『むせそう』でいいんじゃないですか?」

 

「『モンスターエナジー むせそう』!?!?」

 

「いや、それなら『むせそうになるなぁ』の方が好きですね。」

 

想いのほか好感触だが、果たして本当にそれで良いのだろうか。

全てひらがなは攻めすぎているかもしれない。

 

「僕はちょっと改良してみました。『iOS-1』です。」

「"i"は"inverse"の"i"で。」

 

確かにひらがなよりは英語の方がぽいけど、上手さが勝るせいで味の説明においては濁っている気もする。

 

「自分もマイナーチェンジで『風邪の日の運動』ってのを考えました。」

 

「風邪の日の発熱」に引き続きスポドリ要素を踏襲した情緒的な命名が飛び出した。

 

ここで「むせそうになるなぁ」「iOS-1」「風邪の日の運動」の三つが出そろう。

結局のところ、粉薬感や甘味料のべたつきという点では一貫しているので、どの表現が優れているのかを考える必要がある。

 

「この三つを眺めると”風邪”ってワードは入っていて欲しいですね。これまで出てきた要素を全て踏襲できています。”むせそう感”とも咳き込むイメージで繋がってますし。」

 

「”風邪”は”むせる”の上位互換ってことですか。分かります。」

 

「そうですね。なおかつ、味はやっぱりスポドリを基準として表現すべきな気がしてきました。さっきの『風邪の日の運動』の『運動』も結局はスポドリの暗喩になってる。」

 

「ということは『風邪の日のスポドリ』ですか?」

 

おお!なんかそれっぽい!四人ともそれなりに納得している様子だ。

しかしここで藤田が制止を入れる。

 

「いや、発音したときの”風邪”と”風”の揺れが無い表現がいいんじゃないですかね。

だから、…………」

 

 

 

 


 

この企画はエクストラステージ企画メモにあったものをちぎって投げたものです。

企画メモの詳細は以下の記事に書きました。暇なら読んでみてください。

nujiyucho.hatenablog.com

ちなみに現在、企画は1219個あります。(2023/09/25時点)