江坂です。名大祭で開催されるエクストラステージ2023に先駆けて、「モザイクエンペラー召喚」という企画を実施しました。
そのあらましをまとめます。
モザイクエンペラー召喚とは
昔の名古屋大学生であるモザイクエンペラーの交通費を募って、名大祭に遊びに来てもらう企画です。モザイクエンペラーは過去の名大生の中で最も魔法陣から出現するのにふさわしいイメージがあるので(江坂の主観)、このような企画名にしました。
もっと魔法陣から出現するのにふさわしい名大卒業生がいましたら、ぜひ報告ください。来年に召喚を試みます。
クラウドファンディングのように、目標金額を設定して、その金額を達成したら召喚成功でモザイクエンペラーが名大祭に来る、達成しなかったら来ないというシステムです。目標金額は、東京駅から名古屋大学駅までの往復の電車賃21,660円にしました。
この企画はモザイクエンペラーを召喚すること自体を目的としており、召喚したモザイクエンペラーは特に何かをするわけではないということにしていました。召喚成功したところで誰が得するんだ、とモザイクエンペラー本人がずっと気にしていました。
たしかに、と思いつつも、企画の狙いはありました。それはこの記事の最後に紹介します。
企画のWebページはこちら↓
結果
募金の結果、23,383円が集まりました。107.95%の達成率です。
募金期間の途中、どうしても名大祭に行きたいモザイクエンペラーのメンタルがおかしくなってきており、集まらなかった場合は江坂が残りのすべてを補填するしかない状況でした。
江坂がリッチであれば初めから江坂のお金でモザイクエンペラーを召喚していました。
募金していただいた皆様に心から感謝いたします。
募金のリターンとして、モザイクエンペラー作の「精神病院閉鎖病棟サバイバルガイド」をお送りすることになりました。
モザイクエンペラーが名古屋大学在学中に、精神病院の閉鎖病棟に滞在した時の出来事をまとめた文章で、普通に生活をしているとなかなか行くことができない閉鎖病棟の様子を垣間見ることができます。
風呂に入れない状態で1ヶ月弱ほど窓のない空間で生活していたということが書いてあり、そのへんの映画のあらすじよりも詳細が気になりました。
※やや刺激が強めな内容のため、元気な時の閲覧を推奨します。
募金した方で読んでみたい方は、ぜひ以下のフォームよりお申し込みください。
当日の様子
名大祭3日目(土曜日)は晴れと曇りの中間のような天気で、たくさんの人が名大祭に遊びに来ていました。
模擬店エリアを見に行くと、名大祭ってこんなに人いたっけというほどに人がいました。
並ぶのが面倒だなぁと思いつつも、モザイクエンペラーは募金をしてくれた人への感謝の気持ちでもって、前向きに長い列に並んでいました。
最初から最後まで本当に楽しそうにしていて、この企画をしてよかったなと思うのと同時に、募金に感謝をしました。
※動画の冒頭で話している「モザイクエンペラーに餌やり」というのは、江坂が過去にやった「スフィンクスに餌やり」をオマージュしたもので、他の人から募った金銭で食事をしている様子を披露するという内容のことです。
なぜやったか
この企画には大きく分けて3つの意図があります。ただ、江坂にとって大学生の自由研究、名古屋大学、モザイクエンペラーに関する文脈には、自分でも把握しきれないものがあるので、ここに書かれていることが全てではないということを警告しておきます。あと、2と3は近いかもしれません。
1. 名古屋大学の文化として
2. 個人的な悪意として
3. 江坂の表現として
1. 名古屋大学の文化として
端的に言うと、モザイクエンペラーを召喚したのは「名古屋大学の卒業生に、こういう人もいるということを今後の名古屋大学生に知らしめるため」です。
名古屋大学の学生は、卒業したらどうなるかわからなくなります。現在名古屋大学に所属をして大学生をしている方がいたら、名古屋大学の卒業生にはどんな人がいるかのイメージをしてみてほしいです。ほとんどないと思います。
サークル単位や企業単位ではあるかもしれませんが、大学単位での「名大生のその後」のイメージがないのが名古屋大学だと思います。
その理由は2つあります。
地元出身者が多いことと、卒業後に東山エリアおよび名古屋を離れる人が多いことです。
地元出身者、つまりすでに信頼のある土地で暮らす20歳前後の人間は、この土地にどのような人が関わっていたなどの情報を把握することによって安心感や信頼感を得る必要がありません。だから、この土地のことを知りたいとか、人のことを知りたいという欲求が少ないと考えています。それによって、人に関する世代を隔てた情報伝達が少なくなっていると考えています。
また、名古屋大学の学生は優秀なため、ふさわしい会社が東海地方よりも他の地方に多く存在します。また、名古屋の中途半端な(暮らしやすいとも言う)風土を感じとり、他の地方に憧れます。そのため、卒業後にはほとんどの人が別の地方へ行き、大学周辺に留まりません。
例えば有名な会社で名を挙げた人や、個人的活動によって著名になった人や、組織を立ち上げてそれを大きくした人などの名前は、東山まで届くことがあります。でも普通の人や、普通でない人のことはほとんど届きません。(それは名古屋でなくてもそうかもですが)
なので、現在著名でない人で江坂との仲が良好な人であれば、モザイクエンペラーでなくてもよかったかもしれません。久保とか。
2. 個人的な悪意として
モザイクエンペラーは映画『ジョーカー』のアーサーみたいな人です。ただ、ジョーカーになっていないだけです。
モザイクエンペラーはいつジョーカーになってもおかしくない人生で、そうならないようにとてもたくさん頑張っていることを、自分はずっと見てきました。
なので、モザイクエンペラーがジョーカーになってあげていないことに対して、世の中が感謝すべきだと思っています。
それと同時に、モザイクエンペラーがジョーカーにならなくて済んでいるのは、周囲の人間のおかげでもあると感じます。その人たちには、自分が感謝をしたいと思っています。
それらを総合して、ジョーカーになっていないモザイクエンペラーがいまこの世界で生きていることを表現したいと考えました。それが「モザイクエンペラー召喚」です。
今年もジョーカーになりきらずに1年過ごせて素晴らしいね、ありがとう、という祝福と感謝のために、毎年開催したいと思っています。宮崎駿も悪意を肯定していたので、いまひと安心しています。
3. 江坂の表現として
何か思いついたことをやったりやらなかったりすることも、それを一人でやることも誰かとやることも、自分は信頼しています。そういうことを続けていた結果、自分は大学で興味深い人を発見しました。その一人がモザイクエンペラーです。
何かが終わった後も一緒に何かをしているのって、外から見ていてもいい感じだなと自分が時々思うことがあります。それから、過去の誰かの活動に勇気をもらうことがあります。
自分の場合は、「名大グッヅ研究会」という組織を知って、入って一緒に活動したいなと思ったけどその時にはもう存在していなくて、その後に「大学生の自由研究」を始めました。そう考えると、もしかしたら名大グッズ研究会が過去にあったことを知らなかったら、今の自分の活動はなかったかもしれないと時々考えます。
モザイクエンペラーの活動をいまの名大生が知ることで、もしかしたら勇気を受け取る人がいるかもしれません。自分の他のどんな活動でも、なかなか他者に勇気を与えられる可能性があるものは予想がつきません。
小さな何かを伝えたり、残したり、積み上げることが、誰かに影響を与えることがあって、自分がそれがおもしろいと思っています。今考えると、それ以上のことはあまり考えずに「モザイクエンペラー召喚」をやったと思います。でも、なにか聞かれたらそれっぽいことを答えるのが江坂大樹ですので、何かが気になる方は質問してください。
この記事は以上でおしまいです。
またいつかモザイクエンペラーが召喚されますように。