この写真、少しおかしなところがあるのだが、わかるだろうか?
物価高とか。そういう話ではなく。
問題なのはこの部分。
そう、商品名に「ポンジュースオレンジ1000ml」とある。
…何もおかしくない?
本当に?
だってポンジュースって、オレンジジュースの名前じゃないの???
これじゃあいわゆる「頭痛が痛い」…
オレンジジュースオレンジ味。
ゲボイデボイデ、いやボイデゲボイデ。
どうしちゃったんだよ、POMジュース…
えっ!?!?
ポンジュース・アップルだってー!?!?!?
お買い上げ、ありがとうございましたー…
なんと、ポンジュース・アップルの登場により、ポンジュースはポンジュース・オレンジと名前を新たに書き換えられてしまいました。
突然ですが…漫画「スイッチガール!!」に登場する樹本 大(きもと ひろし)は、かつて同級生からは「メガネ」と呼ばれていたのにも関わらず、眼鏡をかけたイケメン主人公神山 新(かみやま あらた)が転校してきてからは、彼との区別のために「キモメガネ」と呼ばれるようになりました。キモメガネは悔しがります。*1
きっとポンジュース、改めポンジュース・オレンジも悔しかったに違いありません。
さて、そんな言葉が、実は身近にありませんか?
名大レトロニム選手権2023、ここに開幕します。(開催時は2023年)
- レトロニムについて
- エントリーNo.1「縄文土器」
- エントリーNo.2「純愛」
- エントリーNo.3「貼らないカイロ」
- エントリーNo.4「尻敷き式座布団」
- エントリーNo.5「野良猫」
- エントリーNo.6「生土下座」
- エントリーNo.7「清潔クレープ」
- エントリーNo.8「勇気ある知識人」
- エントリーNo.9「純喫茶」
- エントリーNo.10「SEIKIN」
- エントリーNo.11「演技派俳優」
- エントリーNo.12「清潔クレープ」
- エントリーNo.13「公正研究」
- エントリーNo.14「バニラモナカジャンボ」
- エントリーNo.15「人力レポート」
- エントリーNo.16「爪切りバサミ」
- エントリーNo.17「生卵」
- エントリーNo.18「包茎おちんちん」
- エントリーNo.19「打製石器」
- エントリーNo.20「紙レポ」
- エントリーNo.21「裸族」
- エントリーNo.22「日時計」
- エントリーNo.23「初代」
- エントリーNo.24「無脊椎動物」
- 名大レトロニムチャンピオン
レトロニムについて
レトロニム(英語: retronym)あるいは再命名(さいめいめい)とは、ある言葉の意味が時代とともに拡張された、あるいは変化した場合に、古い意味の範囲を特定的に表すために後から考案された言葉のことを指す。(wikiより)
「授業」はもともと対面でやるのに、「オンライン授業」が出現したせいで従来の「授業」は「対面授業」に再命名されてしまったわけです…という風に説明していたと思います。
これまでの例で考えると、「ポンジュースオレンジ」「キモメガネ」「対面授業」がレトロニムにあたります。*2
応募してくださった方は、ありがとうございました。
それでは、集まったレトロニムを見ていきましょう。
エントリーNo.1「縄文土器」
社会所属チャキーン!さんより。
説明:縄文時代は多分名前すらなかった
エントリーNo.2「純愛」
地下室所属かんだダンススクールさんより。
説明:偽りの愛が生まれたから
エントリーNo.3「貼らないカイロ」
地球所属江坂大樹さんより。
説明:なし
エントリーNo.4「尻敷き式座布団」
地球所属江坂大樹さんより。
説明:宇宙ステーションに人々が滞在するようになった世界では、笑点で笑いを獲得したときに頭の上に座布団を重ねるようになったことで、頭の上に座布団を置くことによるリラックス効果が注目されて、高齢者の間で流行した。それによって、本来の座布団の用途に沿ったタイプの座布団が尻敷き式座布団と呼ばれるようになる。
エントリーNo.5「野良猫」
無所属江坂大樹さんより。
説明:なし
エントリーNo.6「生土下座」
無所属江坂大樹さんより。
説明:焼き土下座が一般化した際の、従来の土下座の呼び方。(焼き土下座が一般化した世界では、土下座というとどちらを指すか不明瞭なため)
エントリーNo.7「清潔クレープ」
無所属江坂大樹さんより。
説明:名大において、毒クレープという概念が出現したため、食べることのできる通常の毒なしクレープを指すために使われはじめた。
エントリーNo.8「勇気ある知識人」
経済学部所属クナッケさんより。
説明:もともと知識人は勇気あるものであったが近年、勇気のない知識人が現れたためこの概念ができたと考えます。
エントリーNo.9「純喫茶」
文学部所属王さんより。
説明:日本でもともと風俗店として営業していた喫茶店(いわゆる「カフェー」)とは異なる、純粋に珈琲を楽しむ場としての「喫茶店」をそう呼ぶようになったはず。
エントリーNo.10「SEIKIN」
無所属江坂大樹さんより。
説明:これがレトロニムかどうかは難しいところですが、存在がレトロニム的なのではと思いました
エントリーNo.11「演技派俳優」
名古屋大学情報学部所属はんもっくさんより。
説明:容姿が整っている俳優の台頭により、その他の俳優のパーソナリティーを「演技派」と形容するようになった。
エントリーNo.12「清潔クレープ」
名古屋大学文学部所属猫山田猫太郎さんより。
説明:世に販売されているクレープが「清潔」であることは言うまでもない。しかし、名大では異なる。「毒」クレープなるものを大学祭で販売したからだ。この事件以後、名古屋大学では、食品衛生法の下で作られたクレープを「清潔クレープ」と呼称するに至る。この現象はまさに「クレープの再命名」である。
エントリーNo.13「公正研究」
名古屋大学所属クリムト1862さんより。
説明:そもそも、研究は「公正」であるべきだ。「研究不正」など言語道断である。しかし、ここ名古屋大学では2006年から「公正研究」を目指した基本方針を掲げているにも拘らず、近年、杜撰な研究不正が行われていたことが発覚した。「公正研究」という「再命名」行為が、「羊頭を掲げて馬輔を売る」が如く、見せかけでなければ良いが…。(参考:『名古屋大学の歴史(下)』
エントリーNo.14「バニラモナカジャンボ」
無所属江坂大樹さんより。
説明:これもレトロニムではなくモダノニム(レトロニムと似ている別の存在)かもしれないので、協議が必要です。チョコモナカジャンボと比べたときにモナカジャンボと呼ばれる存在ですが、チョコモナカジャンボの存在が前提となっているのでバニラモナカジャンボという名称になっていると思われ、その点がレトロニム感があります。レトロニムではなさそうな点は、あとから出現したものによって、既存のものの名称が変わったわけではないところです。
エントリーNo.15「人力レポート」
2年所属ぽごんさんより。
説明:もはやAIに書かせるのが主流だから
エントリーNo.16「爪切りバサミ」
沼所属気仙沼さんより。
説明:レーザー式の爪切りが一般に普及したため、昔からあった挟んで切るタイプの爪切りを区別するために作られた言葉。
エントリーNo.17「生卵」
長野所属河内長野さんより。
説明:誰かが卵を加熱調理してそれが普及したため、本来生状態である卵を区別するために作られた言葉。
エントリーNo.18「包茎おちんちん」
無所属きぬえさんより。
説明:小学生低学年くらいまではおちんちんといえば普通包茎を指す。露茎の登場により普通のおちんちんが包茎と呼ばれ始める。
エントリーNo.19「打製石器」
東山キャンパス所属本山原人さんより。
説明:磨いたやつが居たせいで、急に旧時代の石器って言われるの酷くないですか。
エントリーNo.20「紙レポ」
情報学部2所属の方より。*3
説明:TACTにある紙レポシステムっていう謎の仕組み、なんだろうね
エントリーNo.21「裸族」
名古屋大学文学部(自認)所属ミッツさんより。
説明:皆が服を着だしてせいで。
エントリーNo.22「日時計」
名古屋大学文学部(自認)所属ミッツさんより。
説明:おそらく原始の時計
エントリーNo.23「初代」
ぽかやま大学いがくぶいがくか所属とまとさんより。
説明:二代目が出てこその初代なのである。初代会長、初代ポケモンなどなど。
エントリーNo.24「無脊椎動物」
人類(日替わりランチ)所属アガマチさんより。
説明:大体人間のせいだと思います。
名大レトロニムチャンピオン
いかがでしたか?
意味不明なレトロニム、問題提起を含んだレトロニム、ユーモアに富んだレトロニム、そして…まさかの被り。
様々なレトロニムがありましたね。本当は、1つ1つにコメントしたかったんですが、
①集まった回答を眺めるだけで満足してしまった
②僕がアレコレ言うのも無粋
というわけで、このように回答を発表させていただきます。某企画みたいに、企画者コメントを期待していた方がいたらごめんなさい。講評は気が向いたら別でやります。あと遅れてすみません。
さて、名大レトロニムチャンピオン2023ですが、
エントリーNo.2「純愛」
にしたいと思います。かんだダンススクールさん、おめでとうございます!
それではまた!
自由研究ってレトロニムかも
— にんじんしりしりの妖精🥕🧚♀️ (@nhinshirhi) 2023年7月10日
本来研究は自由なもののはずだから……