大学生の自由帳

ペンギンパニックとエノキ工場の香り

サカナクションと鰹

 

当方20代男性です。恥ずかしながら、スープパスタにハマってしまいました。謹んでお詫び申し上げます。

事の始まりは些細な理由によるもので、「昔、ファミレスでアルバイトをしていた頃に賄いとして食べていたスープスパゲッティの味が急に恋しくなった」というだけのことです。
ただ、記憶を頼りに再現したトマトスープの魚介スパゲッティは自分が期待していたよりもずっと「あの時に食べていた味」で、スラムダンクの山王戦で枯れたはずの涙が込み上げてくる位感動しました。

それからというもの、色々な味のスープパスタを作って、ある時は昼食に、またある時は夕食や夜食にしています。
様々なスープを作って試しているうちに、自分が好きな味・苦手な味にも気付いてきました。どうやら僕は中華とパスタの組み合わせが大好物のようで、鶏がらと塩で味付けしたあっさりとしたスープや、トマトスープに中華風調味料や唐辛子を加えた少し辛いスープを何度も作り、ウマイウマイと満足げに食べていました。逆に、スープパスタの世界では定番の牛乳を使ったクリーミーなスープはあまり好みではなく「違うんだよなぁ」「こういうのじゃないんだよなぁ」と首を傾げながら食べました。

また、スープパスティスト(スープパスタを作る人、という意)として絶対にやってはいけないことも学びました。

その日、僕は料理中のBGMとして流しているサカナクションにノリすぎていました。自分では「そんなにノってない」と思っていたのですが、側から見ればノリすぎていたのでしょう。普段は鶏がらスープの味を補強するために白だしを入れるのですが、ノリすぎていた僕は誤って鰹だしを入れてしまったのです。
白だしとは完全に調和していた鶏がらですが、相手が鰹となるとその態度は一変し、旨味と旨味の大げんかになってしまいました。

この一件で、「鶏がらと鰹だしのスープパスタは絶対にない」ということ、そして「ノリすぎてはいけない」ということを学びました。
スープパスタマスター(スープパスタを作るのが極めて上手な人、という意)への道は遠いです。