大学生の自由帳

ペンギンパニックとエノキ工場の香り

ジャガンナート・ラタ・ヤットラ祭に行った

どうも、榊原です。
私は日々研究室に籠ってひたすら実験をしたり即席麵を茹でたりテレビ朝日金曜ナイトドラマ「TRICꓘ」を見たりしているんですが、そうこうしているうちに年月が経ち、学部生時代に履修していた文系教養科目が大変懐かしく感じるような年頃になりましてね、というか、毎日理系っぽいこと考えてると文系教養を得たい発作症状がおきて大変でしてね、衝動的に下界に降りて先生に断りもなく聴講して、レジュメのコピー代、ホッチキスの芯をちょろまかすということに日々腐心しています。
そんな感じでモグリをしていると、勉学に直接的には関係のないどうでもいい情報がたくさん得られましてね、例えば、春日井ではインドの地方の土着神の祭りジャガンナート・ラタ・ヤットラ祭」が開催されるという耳寄り情報が入ってくるわけです。

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わー。チラシを見るに、でっかい山車が市中を引き回されるんですかね!? きっと盛大な祭りなんでしょう。おもしろそー。

まあ、こんな情報を得られるのはインド哲学の講義に他ならないわけですが、春日井はいつからそんな魔境になってしまったのでしょうか。人口よりサボテンの株数が多いことは知っていましたが、それは春日井印度化計画の一端で、遂にインドの属州になってしまったんでしょうか......?


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皇国の民として、やはりここは春日井に行ってガツンと言ってやるしかないでしょう。そしてそんなジャガンナート・ラタ・ヤットラ祭は7/7開催らしいです。奇しくも七夕ですね。ここで蘇えるあの頃の記憶。そう、私の住んでいた町には大学があり、7/7には大学祭、その名も「七夕祭」が開催され、同じ校区の中学生は皆そこに集結し、私もまた例外ではありませんでした。浴衣姿の同級生、こじんまりとしながらも活気のあるキャンパス、嗚呼懐かしき青春の日々よ、ℬ𝒪ℳℬℰℛ。あれから10年後の俺は七夕祭ではなくジャガンナート・ラタ・ヤットラ祭に赴き、幻影の14歳と会話する。ところで、ジャガンナート・ラタ・ヤットラって、なんだ?

 

ジャガンナートजगन्नाथଜଗନ୍ନାଥ、Jagannāth(a))ってこんなの

元々はインドのオリッサ地方の人気No.1土着神ですが、クリシュナというインド人気No.1神と次第に同一視されるようになりました。栄転ですね。ちなみにクリシュナは最高神ヴィシュヌの化身です。何が起こっているかお判りでしょうか。インドではこんな感じでいろんな神が同一視されまくっていてややこしいのです。他民族文化ここに極まれりって感じですね。今、私は中途半端な知識でテキトーに書いています。


ちなみにインドでは偶像崇拝がバンバンされており、ジャガンナートにも姿かたちがあります。見た目はこんなのです。

オリッサ州ブバネーシュワルに祭られているインドセンダンの木を塗装したジャガンナートの像[4]

こんなゆるキャラみたいな見た目の神がいていいのか? いいよ。

 

ラタ・ヤットラは「山車の行進」という意味らしいです。インドでは救済を求め、山車に轢かれて死ぬことを望む信者もいたらしいです。怖いですね。
このエピソードが原因で、ジャガンナートは圧倒的破壊力を意味する英語、ジャガーノートjuggernaut)の語源になっちゃったらしいです。ジャガンナートは何も悪くないのにね。

 

当日

梅雨のさなかではありましたが晴天に恵まれ、絶好のジャガンナート・ラタ・ヤットラ日和です。

 

そして

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猛暑です。ジャガンナート・ラタ・ヤットラってる場合ではない。

 

 

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そして会場はまさかの幼稚園でした。想像の0.8倍くらいの規模感です。
受付が設営途中だったので、「自分全然関係者です」みたいな顔をして堂々と園内に侵入しました。

 

しかし、開始予定時刻を過ぎても始まる気配がなく、仕方がないので童心に帰ってアリの巣をいじって遊んでいました。そうしていると、不審に思ったであろうおばさんから話しかけられ、アリの巣を公然といじって遊んでいられる年齢ではないことを思い知らされたのでした。
仕方がないので身分を明かすと、「うちの嫁さんも名大卒」との返答をいただきました。若干謎のマウントを取られたような気もしますが、どうやら誤解は解けたようで助かりました。学歴が高いと、ある程度変なことをしていても許されるのでありがたいです。話を聞くとそのおばさんは、出演する知り合いに誘われて来たようです。周りの客も大体そんな感じっぽいので、相当身内でかためられた祭りに来てしまったみたいです。そりゃアリをいじくってる24歳は相当浮いて見えたことでしょう。いやあ、参りましたね。


そんな感じで開始を待ちながら話し続けていたんですが、というかここまで書いてなお祭りが始まっていないことに私としても驚きが隠せませんが、予定時刻を大幅に過ぎてもなお始まる気配が全くありません。先述の通り、この日は尋常じゃないくらい暑く、日光其れ即ち死といっても過言ではありませんでした。日陰から出た瞬間に死ぬ。祭りが始まる前に俺が終わる可能性すら考えられました。件のおばさんも「こんなに暑いと知っていたら来なかった」と宣っておりました。DA.YO.NE.

 

あんまりにも暑くて何も起こらないので、先に会場をぐるっと一周見て回ることに。

 

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インスタ映えスポットのような何かです。誰も活用していませんでした。

 

 

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会場にある唯一の日陰スポット。
頼む、これが休憩スポットであってくれ!と願わずにはいられません。それくらいの暑さ。

 

 

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これが、チラシに載っていた山車!?? 想像の0.08倍くらいの規模感。

 

 

......下見が終わりました。所詮幼稚園の園庭なのでこんなもんです。
つーか、祭りはまだですか......?!

 

と思ったら、

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なんか園の前に車が止まり、それっぽい音楽が流れ始め、インド濃度が上昇しはじめました。

 

 

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車の中から(多分)ジャガンナート御一行が出現しました。
なんとも今風の登場に驚きを隠せません。

 

 

そして移動する人々。

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唯一の日陰スポットが祭壇でした。絶望です。

その後、大量のバナナ、よくわからない食物などがジャガンナートの前に供えられましたが、この辺で開始予定時刻から大体1時間くらい経過していました。インド時間過ぎるよ~。

その後も人々は「くりしゅな~」やら、「う゛ぃしゅぬ~」やら「じゃがな~(たぶんジャガンナート)」やらと、マントラ的なのを唱えたり、ジャガンナートに向かってなんか投げたりしてました。ぬるっと儀式が始まり、ぬるっと次に移行していく。なんだか微妙な疎外感を感じます。まあ、向こうはインド人でこちとら日本人だからかな。
そもそも私は全く内容を知らないので、なにがいつ始まって終わるのかわからないのでした。そりゃそうか。そうだとしても一体いつまで続くのかは気になります。祭りが終わるのが先なのか、私が倒れるのが先なのか。日差しが......。

 

 

 

 

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腹を満たすのが先でした。

規模は極小なのですが、ちゃんとインド料理の屋台が出ていました。
ちなみに全体的にまあまあ高価で、貴様ら貧乏人にはわからないかもしれませんが、これは1400円もする非常に高級な食べ物です。400円くらいの味がします。

 

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こちらがメニュー表です。日本人にも親しみの深いカレーから、本当に何なのかよくわからないものまであり、心が躍ります。どうせなので、よくわからないものも食べることにしました。

以下、同行者によるごはんと寸評です。

パニプリ

割ってポテトサラダを詰め、ソースをかけて食べる。

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サクサクしていて、味にはあんまり特徴がない。順当にポテトと豆の味。美味しいけれど、キャッチコピー(パリパリ!甘くて辛くて酸っぱくてスパイシー)から期待した特徴マシマシの味ではないかも。


ドクラ(左下の黄色いやつ)

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スパイシー。ややボソッとした食べたことない生地感。強いて言うなら、弾力のない蒸しパンとか、芋の蒸したのに近い。そんなに好きじゃないかも…。どちらもクミンぽい味がする

 

だそうです。私も食べさせてもらいました。
見た目は相当華々しいというか、あまり見ない形をしているんですが、全体的にかなり素朴(というか無個性)な味がします。人間と一緒ですね。

 

撤退

本当はここで一日過ごす予定だったんですが、流石に暑すぎて生命の危険を感じたのと規模が小さくて飽きたのとで帰りました。
帰路、意識朦朧としながらもふと思ったのですが、日本の夏祭りの多くは夕方から夜にかけてやりますね。高温多湿の日本の夏を生きぬくための生活の知恵でしょうか。

 

俺、変に奇をてらわずに、その辺の盆踊りとかに参加することにするよ......。