今宵奇妙な世界に迷い込んでしまった1人
ガラモン・ソングに紐づけられた三大欲求
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「ねえ、知ってる?」
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全学教育棟の屋上には、手の届かない明らかに不自然な位置に蛇口が存在します。
- 蛇口をひねる。
- 蛇口をひねる。
- 蛇口をひねると赤黒い液体が出てきて親しい人が死にます。
「みんな死にます、みんな死にます」
名大おじさんは2018年を境にいなくなったと言われています。
私は名大おじさんと非常に親しく接していました(夢の中で)。
「違うよ、それは嘘だよ。だってーー」
彼はビデオカメラにしか映らない存在になったのです(危険が近づいています)。
ビデオカメラ越しに彼と会話し、触れることができます(危険が近づいています)。
ビデオカメラ越しに彼と会話し、首を絞めました(危険が)。
ビデオカメラ越しに彼と会話し、首を絞めることで「中心小体論」の在庫を65,535冊手に入れました。
名大おじさんをビデオカメラ越しに***した記憶は250万円で売れたそうです。
(「中心小体論」は一冊も売れませんでした。)
名大おじさんをビデオカメラ越しに***した記憶は200万円で買うことができます。
(「中心小体論」は***円で買うことができます。)
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「以上が今日あなたが話すべき台詞です」
「『以上が今日あなたが話すべき台詞です』ですって?」
この世界では、全ての人間があらかじめ決められた台本通りに自分を演じている。
私たちは釧路漁港の埠頭に肩を並べて座っている。
12時の鐘が鳴る。
シャッター街のスピーカーから音割れしたAKB48の「ヘビーローテーション」が爆音で流れ始める。
全ては秋元康の思惑通りに事が進んでいる。
「この街は2010年秋で時が止まっている」
「『この街は2010年秋で時が止まっている』ですって?」
彼は私に今日の分の台本を渡し去っていった。
* * *
でもそれは夢で、
轟音を立てて崩れていった第二グリーンベルトだけが現実です(本当に?)。
次の標的は豊田講堂です(本当かもしれない)。
その次はお前です(本当です)。
お出口は右斜め上です。絶対にご注意ください。
日の出通り商店街では毎年4月2日に「いきいきデー」が開かれ、各々が商売道具を持ってすごいスピードで無惨に散ります。ぜひご期待ください。
「ベッコウバチ、ベッコウバチ、ベッコウバチ、ベッコウバチ」
蜘蛛女がすごいスピードで無惨に散ります。ぜひご期待ください。
口は車庫です。トーマスやパーシーが入るためには前歯を全て抜かなければなりません。
ぜひご期待ください。
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「ワタ毛男って知ってる?」
「ワタ毛男の綿毛を吹いた人は発狂して死んでしまうんだって」
「名古屋大学には名大おじさんが出るらしいよ」
「問答に勝ったら名大おじさんの著書がもらえるんだって」
「三重大学にも出たんだって」
「でも、もういないんじゃないかな」
(もういないんじゃないかな)
(もういないんじゃないかな)
(もういないんじゃないかな)
(そんなことないよ)
(そんなことないよ)
(そんなことないって?)
見えないだけで、お前の後ろにいるよ。