今月13日のこと、名大近辺の伊勝八幡宮で天王祭なる催し(夏祭り)があると聞きつけたあいうえお作文プロ*・二ツ島によって、それは招集された...
あいうえおくのほそ道
~第二回~
*...あいうえお作文にコンスタントに取り組んでいる人口があまりに少ないため、1年も継続的に作文をしていれば相対的にもうプロと呼んでいいでしょう。小川の雑魚の寿命のスケール感です。
この僭越極まりないタイトルの企画は何かというと、簡単に言えば道中に見つけた/思いついたお題で即興的にあいうえお作文をしながら目的地まで歩くというだけのものです。こんなんもう、芭蕉BASHOですね。
そして覚えている方のほうがおかしいと思いますが、第二回というからには第一回がありました。芭蕉は二度もみちのく行脚していないのに、うっかり芭蕉を超えてしまったようです。
今回の参加者は二ツ島、藤田、それから突如このあいうえお作文小界隈*1に殴り込んできた山田です。
前回の記事に倣って寸評を添えました。私(わたくし)が作文の本質を鋭く見抜いて端的に解説いたしましたので、ぜひこれを手本にあいうえお作文の妙味を存分に味わってください。ではどうぞ。
プランゾ

2023年7月29日、我々はこの場所にいた。我々はここでエナジードリンクを飲んで*2、あいうえお作文をしていた。あれから一年、各々は各々で色々あったりなかったりして、またこの場所に戻って来た...
藤田の作文
プ :プロカメラマンが
ラン:欄干から飛び降りた瞬間
ゾ :造形大学
【寸評】
おー笑
二ツ島の作文
プ :プルプルしたのがあるでしょ?これが
ラン:乱の
ゾ :臓
【寸評】
山根くんを解剖してるのかもしれません。
山田の作文
プ :プールの匂い
ラン:ランドセルの輝き
ゾ :ゾッとする静けさ
【寸評】
この中だと一番しっかりしてるのでは?私は一年何を?
粗大ゴミ

ファミマ前ストリートをしばらくうろついた後、また中庭に戻ってきます。
この場所には数日前まで大量の粗大ゴミが山積みされており(下掲写真)、結構壮観だったのですが、来てみると既にきれいさっぱり片付けられていました。「夢の跡...?」

山田の作文
そ:So what?
だ:大好きだった君は
い:苛立ちを隠そうともせず
ご:誤魔化す僕の首を
み:ミサンガで締めあげた
【寸評】
おしゃんで憎いですね。
二ツ島の作文
そ:そちらは
だ:「ダビングルーム」です
い:「いけ好かないポイントカード群」は
ご:ございません。
み:みな海へ戻り、便りはありません。
【寸評】
皆さんはダビング、したことありますか?
藤田の作文
作文が完成しませんでした。
できませんで済んだらあいうえお作文警察要らないんだよ!
(要らないから存在しません)
ゼウス
A館脇を抜けて、名大西側の住宅街に出る一行。すると目の前に現れたのは、畏くも全能の神の名を冠した、駐車場...
二ツ島の作文

ゼ:全国区
ウ:ウルトラ
ス:スーベニア
【寸評】
こんくらいのやつが一番いいです。
山田の作文
ゼ:是が非でも行くべし
ウ:雲雀の民宿
ス:素泊まり3500円
【寸評】
こんくらいのやつも一番いいです。
藤田の作文
ゼ:税の春
ウ:運指をたしなめる
【寸評】
失敗です。
蚊
ホワイトボードを携えて住宅街をさまよい歩く芭蕉未満3名を、蚊が猛襲します。特に私が我慢の限界に達し、蚊を作文に詠んで封じこめることにしました。逆一休です。
まだろくに拓けていない方丈の沃野、一文字あいうえお作文です。
山田の作文
か:カンザス水たまり無双
【寸評】
これまでかなり堅実な作風で来ていた山田が、急にハンドルをあらぬ方へ切ってしまいました。
藤田の作文
か:カラザに足をとられた掏摸
【寸評】
掏摸(スリ)です。
二ツ島の作文
か:門出に帝デッキ
【寸評】
何でしょう、ことわざみたいな...
天王祭

前回のゴールは伊勝小で行われていた盆踊りでしたが、今回は神社の夏祭りです。別にゴールが祭りでないといけないみたいなことはないはずですが...
会場はなかなか盛況です。ここまで閑散とした学校、住宅街で作文してきましたが、何か変化があるのでしょうか。
山田の作文

てん:甜麺醤をひと掬い
の :ノスタルジーと
う :浮世の間
さ :沙羅双樹の棘が
い :痛々しく歯茎に刺さる
【寸評】
意味は正直よく分かりませんが、あるいは分からないからこそ、あの場の雰囲気と結構マッチしてる気がします。
藤田の作文

てん:テンポラリー・エタニティ
の :ノベル・クラシックス
う :烏骨鶏のテクスチャで
さ :催涙弾のベロシティで
い :委任状のグラフィックで
【寸評】
すごいすごい笑
二ツ島の作文

てん:天才小学生ひさみちゃん
の :農業体験で起こした
う :「薄緑の革命」は
さ :3.5倍のヘチマ収穫量を実現
い :今、全学校のタワシ供給を支える
【寸評】
しなやかでしたたかな作文です。そう思いませんか?
さてかくして、第二回あいうえおくのほそ道はこぢんまり閉幕しました。
第三回はあるのでしょうか?...などとブログの惰性で書いてしまいそうになりますが、寧ろ問うべきはそもそもなぜ第一回があったのかであり、なんで我々、もとい私はあいうえお作文を凝りもせず今に至るまで続けているのかであり...である気がしつつ、まあごちゃごちゃ書いても仕方がないので、このへんで終わります。
*1:昨年の名大祭以降、大学生の自由研究内では散発的にあいうえお作文絡みの小企画が行われていますが、特に「あいうえお作文班」などというような固定的なグループを設けているわけではなく、(参加頻度にムラこそあれ)毎回メンバーが流動的に変化しているので、これらの集まりを何と呼ぶべきか、最適解を見つけられていません。