クリスマスに起きた珍事
皆さんいかがお過ごしだろうか。
この記事を書いている今はクリスマス・イヴの深夜0時半ごろ。
一説には魔の……じゃなくて性のナントカ時間とも呼ばれている神聖な時間だ。
そんなクリスマス・イヴの何のことはない昼下がり、名古屋大学・全学教育棟前に突如として不審な集団が現れた。
名大のクリスマス pic.twitter.com/XCkq2x3OMu
— たくみ (@Takumi____1102) December 24, 2019
名大Fラン定期 pic.twitter.com/sYD5uum4W7
— おかきう (@okakyu53230) December 24, 2019
今日の昼に名大の全学前にあった、かなりヤバめの落とし物。 pic.twitter.com/LbuYVOjFcp
— 江坂大樹(ミスター名大2019) (@esakadaiki) December 24, 2019
この頃奇妙な出来事が頻発している名古屋大学で、またもや謎のイベントが発生したようだ。
Twitterに上がっている写真はこれだけでイマイチ状況が掴みづらいが、まず目に入るこの男はどうやら「みんな死ぬ」と書かれた旗を振りながら
「みんな死にまーす」
と始終言い続けていたようだ。
いや怖ぇよ。
なお、Twitterに上がっている写真はこれだけだが、実際にはこの団体は5人で活動していたらしい。
首謀者と思しき演説をしていた男は、和服に亀の甲羅のお面を被った状態で死んだカメを通行人に配布していたという。
写真がないので想像するしかないが、恐らくこんな格好だったのではないだろうか?
この男は演説を行っていたらしく、
「メリークリスマス! 今年1年みんなよい子だったね!」
「君たちもこのカメたちと同じようにいつか死ぬね!」
などと繰り返し叫びながら、
「Mr.メメントモリから君たちへのクリスマスプレゼント、死んだカメだよ!」
と通行人にカメの死骸を与えようとしていた。
亀の甲羅をお面にした人が何かよく分からないけど絶対ヤバい系統の説法を説いてた
— 0601301 (@oganesson67) December 24, 2019
亀の甲羅配ってた
— ゆうた (@harahettabuta) December 24, 2019
話によると、この男は路上の人々全員にカメの甲羅を1つずつ配ろうとしており、死を踏まえて初めて生きている実感が持てること、だからこそすべての命が平等であること、死んだカメをもとに仲間たちと幸せを分かち合ってほしいことなどを説き続けたらしい。
案外僕と気が合いそうだな。
ほとんどの学生がそそくさとその場を離れていったのに対し、一部の人々は彼とのコンタクトをとることに成功し、実際にカメの死骸をもらってきた者もいるという。
この首謀者の写真はSNSに上がっていないが、まあ僕でもこんなヤバそうな奴にカメラ向けたくないから無理はないだろう。
ただ、注目すべき点はこの男が
"Mr. メメント・モリ"
と名乗っていた点だ。
この集団の中で堂々と名乗っていたのは彼だけだったので、おそらくは彼がこの珍事の首謀者なのではなかろうか?
通行人たちに配られていた死んだカメは、どうやら彼からみんなへの善意のプレゼントだったらしい。(どう考えても石炭の方がまだマシ)
また、他の3人もやはり通行人に声をかけながら死んだカメを配っていたという。
終始「メリークリスマス!」の声掛けと笑顔を忘れないその姿は、むしろ心からの祝福を投げかけているようですらあった。
上の写真にビンミョ~に移っているこの男は、キモい歩き方でその辺をウロウロしながらカメの甲羅を木魚のように演奏していたらしい。
結局何だったのか
SNS上では、この一連の騒動に関して「クリスマスに反感を持つ学生が起こした反対運動」とする見解もみられる。
全学前の反クリスマス運動が狂気すぎて笑う
— 0601301 (@oganesson67) December 24, 2019
確かにそういった活動が実際にあるのは事実(クリスマス粉砕デモとか)だが、僕にはこれがクリスマスに対する反対運動とは思えない。
なぜなら、彼らは最初から最後まで
「メリークリスマス!」
と唱え続けていたからだ。
ただクリスマスに反対したいだけなら、やたらと死にフォーカスしている理由もよく分からない。
それでは結局、この騒ぎは何だったのだろうか。
謎を解くカギとなりそうなのは、彼らが配っていたこのビラかも知れない。
このビラに印刷されているのは、なんと我々大学生の自由研究のツイートなのだ。
このツイートは、珍事件が起こる前日の夜に何の前触れもなく投下された謎のツイートである。
明日はクリスマスイヴ。
— 大学生の自由研究 (@nu_jiyu_ken9) December 23, 2019
聖なる夜は"生のある夜"、つまり"死のある昼"だ。
聖なる光の使者サンタ・クロースの語源をsatan(悪魔)に求める者もある。
神聖な光の祭典の傍に、常にくっきりと浮かび上がる陰翳から目を背けては、我々の眼は果たして何を見る為に乾かんというのか。
そもそも、自由研のTwitterは会員たちによって共同運営されているので、誰がツイートしたのか知る術がない。
しかし、ここで疑心暗鬼になるのはやめておこう。
もしかしたら、この時点ですでに自由研は
M r . メ メ ン ト ・ モ リ に 乗 っ 取 ら れ て い た
可能性だってあるのだ。
いや、大学生の自由研究だけの話ではない。
彼らの起こした珍事をただ“珍事”として祀り上げる人々、
そしてそれを非日常の1コマとして忘れようとする人々、
そういった全ての人々が、無意識下のレベルでMr.メメント・モリの術策の中にある可能性がある。
事実、彼らは文字通り
"死のある昼"
を作り上げることに成功してしまったのだから……
まとめ
というわけで、今回の珍事件について分かっていることはまだ少ないようだ。
情報提供をいつでもお待ちしているので、タレコミがあればぜひコメント欄かTwitterのDMから連絡をしてほしい。
また、名古屋大学ではここ数か月の間にごく小さな怪異が頻発しており(こんなのやこんなの)、まだこれからも継続して起こる可能性があるので、分かっていることが少ないなりに心の準備をしておいた方が良いだろう。
そうすれば、やがては名大に潜む謎を解明するに至るかも知れないのだ。
しかし、今の時点で分かっていることも幾つかある。
まず、Mr.メメント・モリはこれからもずっと僕らの傍にいるということ。
そして、
___ いつ か み ん な 死 ぬ と い う こ と 。