突然ですが、名古屋大学には「なごみ桜」という日本酒があります。
名大農学部が開発した桜酵母によって醸されるれっきとした名大オリジナル酒で、名大の北部生協へ行けば気軽に買うことができます。
名古屋大学はこのお酒の販売に力を入れているらしく、なぜか「なごみ桜」のフェイスブック垢まである(なぜ???)のですが、正直言ってこの日本酒
全然おいしくない
です。
とにかく甘ったるいし臭い。
そのことは、以前の記事にも書きましたね。
ちなみに、「なごみ桜」を酷評したらコメントで知らん人にめっちゃ怒られました。
開発に関わった人か何かなのかもしれませんが、次はもうちょい美味しい酒開発してくださいね???
マジでそれに尽きます。
とはいえ、私は一応酒好きを自称する男。
不味い酒をただボロクソに言うだけでは、少々面白みに欠けるってもんです。
というわけで、今回はこの「なごみ桜」をできるだけおいしく飲む方法を検証してみたいと思います。
〈目次〉
- 1.常温ストレート
- 2.氷割り(ロック)
- 3.炭酸割り
- 4.サムライ・ロック
- 5.氷温ストレート
- 6.テキーラ+リンゴジュース割り
- 7.スプライト割り
- 8.ウォッカちょい足し
- 9.みりんちょい足し
- 結果発表
1.常温ストレート
この企画をするにあたって、当然ですがまずは「なごみ桜」を購入せねばなりません。
不味いと分かっているものに金を使うのは辛いですが、これも僕のあふれる名大愛のため。
歯を食いしばって1300円を捻出します。
ワシ「(1300円もあれば「風の森」でも「雪の茅舎」でも買えるのに……)」
買ったからにはやるしかないですが、そもそも「なごみ桜」の何がそんなにまずいのか?
正直最後に飲んだのはかなり前なので、再度レヴューをし直してみようと思います。
さて、実食(実飲?)。
いやーやっぱ臭いなー。。。
全体的に味のバランスが悪いのですが、その最たる原因がこの強烈な香り、そして雑味です。
上に挙げたように「なごみ桜」は桜の花からとれた酵母で醸されているのですが、そもそも花酵母は香りのバランスを取るのが非常に難しい酵母。
しかも雑味も出やすいので、上手く醸すには杜氏の腕が試されるところですが、「なごみ桜」は完全に裏目に出てますね。
「甘くてフルーティで飲みやすい日本酒を」
というコンセプトは分かるのですが、「甘くてフルーティ」以前に風味のバランスが崩壊しているので、
「あー確かに爽やかさとリンゴのような雰囲気あるね……混沌の向こう側に」
という感想しか出てきません。
あとゲロ甘いので、リキュールやカクテルしか飲まないような人なら美味しいと思う可能性はありますが、日本酒として飲んだ場合にはやはり
クソまずい
と評していいでしょう。
2.氷割り(ロック)
まず、シンプルにロックにしてみます。
「なごみ桜」は味のバランスが悪いので、氷を入れることで強すぎる甘みを緩和し、温度を下げることで臭みを抑える狙いです。
いざ。
なんと、氷で割っただけでかなりの改善が見られました。
やはり「なごみ桜」は、日本酒というよりリキュールとして扱うのが正解っぽいですね。
ただ、ロックにしただけでは依然として美味しくはありません。
道のりは遠そう。。。。
ちなみに、熱燗にしてみようかな~とも密かに思ってたのですが、温度を下げたらおいしくなったということを踏まえるとお燗して美味くなるわけないと思ったので止めました。
多分、酵母臭さが爆裂してクソクソクソクソまずくなることでしょう。
3.炭酸割り
リキュールとして扱うなら、やっぱり炭酸割りがまず頭に浮かびますよね。
日本酒の炭酸割りなんて聞いたことありませんが、一体どうなるのか。
というわけでレッツトライ。
炭酸で割ると、なぜか白ワイン感が前に出てきました。
謎に熟成感と甘ったるさのある保存料マシマシワインを炭酸で割った感じです。
つまり美味くねえ。
これなら1本500円の安ワインを割ったほうが美味いし経済的でしょう。
どうやらもう一工夫必要なようですね………世話が焼ける子。
4.サムライ・ロック
ここで、ひとつ日本酒カクテルに挑戦してみます。
「サムライ・ロック」というカクテルがありまして、これは日本酒ベースのカクテルでもとくに有名なものです。
日本酒とライムジュースを3:1の割合で混ぜるだけで、麹の臭みが抑えられ飲みやすくなるというもの。
クッッサい「なごみ桜」にピッタリですね。
さっそく試してみましょう。
う~ん。。。。
確かに臭みはライムによってボコされ、普通に飲めるカクテルになりました。
が、これ「なごみ桜」である必要全くないですね。
「なごみ桜」がそもそもサムライ・ロックに合わない味の方向性なので、さして美味しいサムライ・ロックが作れるわけでもありませんし、「なごみ桜」の面影が消え去ってしまいます。
それこそワンカップで作ってもさして変わらない味になるでしょう……。
「なごみ桜」は確かにゲロ甘臭くてまずいですが、それを殺しきってしまうと飲みやすくなると同時にアイデンティティも失ってしまうという事実が明らかになりました。
なんちゅう手のかかる子なんだ全く…………。
5.氷温ストレート
本命の1人だったサムライ・ロックが無残に散ってしまいました。
新たな秘策はないものか……。
というわけで、冷凍庫にぶち込んでみました。
最近、色んな酒を氷温まで冷やしてフローズン状にするのが流行ってますが、日本酒も例外ではありません。
フルーティで大人な味のシャーベットになるんだとか。
しかも「なごみ桜」は冷やすと美味くなることが分かっているので、これはけっこう期待できそうです。
早速やってみましょう。
いざ、実食!
マッッッズ!!!!!
ワシ「(??!、????!)」
どういうわけか雑味がマシマシになりました。
当然フルーティさなどは氷温でなりを潜めているので、ただ強烈な雑味のあるゲロ甘つめたい何かになってしまいました。
これはまずい(ダブルミーニング)。
今んとこマシな飲み方をほとんど発見できておらず、このままではまたもやコメント欄でお気持ち表明されかねません。
何としても美味しい飲み方を発見してやらねば…………。
6.テキーラ+リンゴジュース割り
ここでちょっとテクニカルに、テキーラとリンゴジュースを使ったカクテルにしてみます。
なんでテキーラとリンゴかというと、まずテキーラの蜂蜜っぽい香りが「なごみ桜」の臭みにイイ感じに作用し、さらにリンゴジュースが「なごみ桜」の奥に秘められたリンゴ感とうまく同化してくれねーかなーと思ったからです。
あとテキーラが家に余ってた とにかく、もはや前に進むしかないので早速トライ。
なるほど、味の方向性は間違ってなかったものの、使ったテキーラの「クエルボ」君が少々悪さをしてしまいました。
もともとクエルボの香りにはクセがあるので、「なごみ桜」とはすんなり馴染んでくれませんでしたね。
やる前に気付くべきだったかもしれません。
7.スプライト割り
さて、苦しい状況が続いています。
Twitterにて助言を求めたところ、並々ならぬ酒好きのおじさまからアドバイスをいただきました。
おじさま「味の方向性的に酸味と炭酸が合う気がするので、スプライト割りなんてどうです?」
考えてみもしませんでしたが、ここまで来たら藁にもすがる思い。
とにかく試していきましょう。
おお……………………。
なんと正解はここにありました。
サムライ・ロックで示されたように、「なごみ桜」の臭みには柑橘系の酸味が効くようですが、スプライトは「なごみ桜」の個性を消さないギリギリのところで戦ってくれています。
絶品とはいかないまでも、普通にカクテルとして成立するくらいには仕上がってくれました。
なお、「なごみ桜」とスプライトを同量で割るとややスプライトが勝ってしまったので、「なごみ桜」を増やすとどうなるでしょうか?
まっず…………
マジで世話の焼ける子だなお前は。
8.ウォッカちょい足し
なんかもうスプライト割り以上の飲み方は出てこない気がします(弱気)が、このままだとおじさまのアドバイスありきの記事になってしまい悔しいので、もう少しだけ頑張ってみます。
最近、「発泡酒にウォッカを一垂らし加えて飲む」というのが流行っているようです。
ウォッカが加わることで風味が増すとのことですが、僕は「ホントか?」と疑っていました。
ちょうどいい機会なので、ひとつ「なごみ桜」で試してみましょう。
いざ!
ウエエ…………。
なんでこう「なごみ桜」は味のバランスが繊細なんでしょうかね????
もともと美味くもないくせに簡単に味のバランスが崩れやがるので、中学生の時同じクラスにいたヒステリックな学級委員長を彷彿とさせます。
もっとみんなの意見を素直に聞いてくれ、「なごみ桜」さんよ……。
9.みりんちょい足し
もうそろそろ最後にしようと思いつつ、僕はふと思いつきました。
ワシ「これ、みりんイケるんじゃね?」
みりんといえば調味料だと思ってる人が多いですが、もともとは普通に飲まれていたれっきとしたお酒です。
といっても、何でもかんでも飲めるわけではなく、①本みりんであり、②かつ原材料が「米麹・もち米・米焼酎」だけのものは、飲用に適しており美味しく飲めます。
代表的なものでは、「三州三河みりん」などがありますね。
超甘いですが、芳醇な香りと深みがあって、意外とソーダ割りでもイケます。
そしてこのみりん、超甘いうえに製造方法が日本酒に似ているので、イイ感じに「なごみ桜」とマリアージュしてくれないだろうか?
ゲロ甘い「なごみ桜」にさらに甘みを足すことになり不安ですが、最後の挑戦一丁やってやりましょう。
オオッ??、!?
なんと成功してしまいました。
正直なかばネタ要員として試したのですが、思惑通りみりんが「なごみ桜」を暖かく抱擁しているかのよう。
中学生の時のヒステリック委員長も、実はこういう存在を心の奥底では欲していたのかもしれませんね。
ただ、当然ではありますがこのカクテル超甘いです。
しかも熟成感かなり強めなので、決して爽やか系の甘さではなく、どちらかというと重め。
どう考えても食中酒には向かないし、かといって食前酒や食後酒にも…………単品で飲むにも重いし…………
これいつ飲めばいいのか分かりません。
それだけがこのカクテルの欠点でしょう……。
結果発表
というわけで、誰に頼まれもしないのに9つもの飲み方を一人寂しく試していきました。
ぜひ誰か褒めてほしいところですが、ひとまずここまでの結果に順位をつけて並べてみましょう。
「なごみ桜」の飲み方をオススメ順に並べると、こうなります。
1位「スプライト割り」
2位「みりんちょい足し」
3位「氷割り(ロック)」
4位「常温ストレート」
5位「炭酸割り」
6位「サムライ・ロック」
7位「テキーラ+リンゴジュース割り」
8位「ウォッカちょい足し」
最下位「氷温ストレート」
大半の飲み方がそのまま飲むよりまずいという驚愕の事態ではありますが、ダントツの1位に躍り出たのは「スプライト割り」。
みなさん、もし「なごみ桜」を手に入れてしまったら、即刻スプライトを買いに行きましょう。
それが唯一救われる道です。