去年の冬のことです、九州人にこう言われました。
「愛知県民は味蕾に赤味噌が詰まって味覚が死んでいる」
生粋の愛知県民である私は無論何をぅ!?(怒)と思い、反論しました。しかし多勢に無勢、その場は私以外ほぼ全員県外出身だったので「赤味噌不味い」「愛知県民は何にでも味噌つければ良いと思っている」「アホしね」など罵声を浴びせられ、マイノリティである私は帰宅後一人枕を濡らしたのです。
しかしながら私とて腐っても愛知県民、ロクに赤味噌文化を知らない連中にボロクソ言われて引き下がるわけにはいきません。反論せねば気が済みません。そして味噌樽に埋めて伊勢湾に沈めてやる。でも面と向かって言うのは怖いので、インターネットで言うことにします。気が小さい!
疑問その1:赤味噌は不味いのか
私は美味しいと思います。
しかしそれこそ味蕾に赤味噌が詰まっていたり、脳味噌が赤味噌に置換されていたりして正常な判断が下せていない可能性もあるので、科学的事実に基づいて判断することにしましょう。
赤味噌と白味噌の違い
赤味噌の美味しさを証明するためには白味噌との比較が不可欠です。
ではそもそも白味噌が白いのに対して、なぜ赤味噌は赤いのでしょうか。その秘密は漬け込む期間の長さにあります。
赤味噌は1年以上という、非常に長期にわたり漬け込みます。それによってメイラード反応(糖とアミノ酸の反応)が起こり、赤い色素が出来上がります。また、長期間漬け込むため塩分が多いです(白味噌の約2倍)。
それに対して白味噌は漬け込む期間が短く、メイラード反応が起こらず、糖やアミノ酸がそのまま残るというわけです。
以上をまとめると、白味噌の方が赤味噌よりも糖がそのままの形で残っていて塩っ気も少ないため、甘いということがわかります。つまり甘さ=美味しさという観点では白味噌の方に軍配があがりますね、悔しいなあ...。
まだ勝機はある
しかしここで引き下がるわけにはいきません。そもそも不特定多数が好き好んで赤味噌食ってるということは何か理由があるはずです。
ここで豆に注目しましょう。
赤味噌は蒸した豆を使っているのに対し白味噌は茹でた豆を使っています。茹でると何が起こるでしょう? そう、豆に含まれる栄養素がダダ漏れします。アミノ酸も糖もヘチマもねえということですね。
その点赤味噌はアミノ酸が損なわれず、そのアミノ酸の一種であるグルタミン酸(旨味の元)含有率が高いのです。もうこれはどう考えても赤味噌は美味いと言えるでしょう。
なお、旨味より塩味の方が強いという意見は無視します。
疑問その2:何にでも味噌つけるのか
私は味噌カツくらいしか付けません。(味噌カツもぶっちゃけクドいです。好きだけど)
ですが、「マヨラー」という何にでもマヨネーズを付ける民族がいたり、「つけてみそかけてみそ」という商品があるくらいなのでマジのガチでalways付けてるキ◯ガイがいてもおかしくはありません。ということで、社会不適合者の吹き溜まりであるツイッターでアンケートをとりました。
結果
何にでも味噌を
— たく (@helixspiral1) 2019年4月12日
なんと過半数の愛知県民が赤味噌をつけて食べる文化を持っているということが判明しました。
しかし8割くらいはつけると思っていたのですが、実際は約6割と、そうでもなかったですね。
(蛇足ではありますが、「つけない」に投票した4割の愛知県民の中には他都道府県からのスパイが紛れ込んでいるとみて間違いありません。見つけ次第捕まえて、味噌カツ工場で24時間働かせましょう。)
からの考察
このアンケートから曲がりなりにも、愛知県民は赤味噌を食材にそれなりにつけるということがわかります。
つまり赤味噌に馴染みのない他県民の目には、愛知県民はとりあえず赤味噌つけがちという風に映っていてもおかしくはないのです。
そして反省
これには私たち愛知県民も反省の余地があるでしょう。「伝統文化だから」「これが名古屋のやり方」とか言って何にでも味噌ブチまけてませんか? それ唐揚げにレモン汁ブチまけてるのとおんなじではありませんか?? そもそも他の追随を許さないほど赤味噌美味しいですか???? つかくどくね??????
その「赤味噌つければとりあえず美味しい」というものぐさな態度が運転マナーから透いて見えるんだよ!!!!知らんけど。
結論
まあ、赤味噌美味しいからつけて食べるんですけどね。
味噌カツは本当に美味しい。